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Genesis/『Three Sides Live』 [CD]

Three-Sides-Live.jpgGenesis としては通算3枚目のライブ・アルバムで、かつ、1980年代に唯一リリースされたライブ盤の『Three Sides Live』は、1981年にリリースしたスタジオ・アルバム『Abacab』のリリースに伴なうツアーから多くの曲が選ばれていた。

当初、このシンプルなジャケットの2枚組のライブ盤は、北米市場向けには Side 1 から Side 3 までがツアー音源で、最後の Side 4 には『Abacab』とその前作『Duke』のレコーディング時のアウトテイク5曲が収められていた。そんな変則的な構成から、このライブ盤には『Three Sides Live』というタイトルが付けられていた。

だが、イギリスではリリースされた『Three Sides Live』にはそのアウトテイクの5曲はなく、代わりに3曲のライブ音源が収められていた。また、この3曲は『Abacab』に伴なうツアー音源ではなく、古くは1976年のツアーからの音源だった。

そして現在 CD で流通している『Three Sides Live』は全てイギリス盤に準拠した内容となり、今やタイトルが示す内容とは異なり、全ての曲がライブ音源で構成された『Four Sides Live』となってしまった。CD 時代になってからは Three Sides という意味も厳密には違ってしまうのだが…。

では、北米市場向け『Three Sides Live』にあった5曲のアウトテイクはどこに行っったのかを探してみたら、2000年にリリースされた3枚組の『Genesis Archive 2: 1976-1992』に5曲中4曲が収められていた。残る1曲の『Me And Virgil』は、どうやらこの頃の3人のメンバーにとって好きな曲ではないようで、長いこと陽の目を浴びることはなかったが、ようやく2007年にリリースされた『Genesis 1976-1982』に収録された。しかし、その際も『Extra Tracks 1976-1982』に収録という扱いだった。

もともと『Me And Virgil』はイギリスでは1982年に『3×3』という EP に『Paperlate』と『You Might Recall』と共に収められていた。それが『Evidence Of Autumn』と『Open Door』の2曲と合わせて『Three Sides Live』の Side 4 に収録され、北米市場ではリリースされていた。

リリース当時は北米地域と欧州地域で Side 4 の曲構成を変えるという今ではあまり考えられない収録曲の入れ替えが行われた『Three Sides Live』だが、1980年代の Genesis は Phil Collins と Tony Banks、Mike Rutherford の3人構成で、ライブは Daryl Stuermer と Chester Thompson を加えた5人が基本だった。

そして、この『Three Sides Live』がリリースされた1982年は Phil Collins のソロ活動が始まった頃でもあり、初のソロ・アルバム『Face Value』からは1stシングルの『In the Air Tonight』もヒットを記録していた。

3人体制の Genesis になってからは『Duke』と『Abacab』が連続で全英チャートで No.1 を記録し、Phil Collins のソロ『Face Value』もやはり全英チャートで No.1 を記録と、まさに3人体制 Genesis がピークを極めつつある頃のライブの模様が、この『Three Sides Live』には詰まっている。

Tony Banks のキーボード・ソロも、Phil Collins と Chester Thompson のツイン・ドラムも聴きごたえがあり、ポップな曲へと変わりつつある時期のライブだが、1970年代 Genesis の雰囲気もところどころで聴くことができる内容だった。

Genesis のライブ盤には Peter Gabriel 在籍時の『Genesis Live』や、1977年にリリースされた『Seconds Out』が人気が高く、『Three Sides Live』はこの2枚に比べるとやや人気の面では劣るが、久しぶりに聴いた『Three Sides Live』にそれほど悪い印象はなかった。

むしろ『Abacab』に伴なうツアー音源の『Afterglow』で一旦幕をおろして、その後に続く5曲のスタジオ・アウトテイクという構成の『Three Sides Live』も一度は聴いてみたいと思ってしまった。

Three Sides Live
【Side 1】
Turn It On Again
Dodo
Abacab
【Side 2】
Behind The Lines
Duchess
Me & Sarah Jane
Follow You Follow Me
【Side 3】
Misunderstanding
In The Cage (Medley - Cinema Show/Slippermen)
Afterglow
【Side 4】
One For The Vine
Fountain Of Salmacis
It/Watcher Of The Skies

タグ:GENESIS 1982


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