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Boz Scaggs/『Down Two Then Left』 [CD]

『Down Two Then Left』の1年半ほど前にリリースされた『Silk Degrees』は全米チャートで最高2位を記録し、シングル『Lowdown』も Top3 をマーク。『We're All Alone』という Boz を代表する曲も収録されていた。1980年にリリースされた次のアルバム『Middle Man』は全米チャートで最高8位を記録し、David Foster のプロデュースのもと、Boz のよりロックな面が披露された。
この2枚のアルバムに挟まれた『Down Two Then Left』は1974年の『Slow Dancer』から続く流れに沿ったアルバムで、個々の曲はどれもそれほど悪くない。だが、飛び抜けていい曲が見当たらないアルバムでもあった。
『Down Two Then Left』に収録された『Hard Times』や『Hollywood』というシングル・カットされた曲はベスト盤の『Hits!』などで聴いたことはあったが、『Down Two Then Left』をアルバム全てを通して聴く機会は、この前後のアルバムに比べるとかなり遅かった。
前作『Silk Degrees』が後に TOTO を結成するメンバーを中心にして作られたことは有名な話だが、『Down Two Then Left』にも Jeff Porcaro がドラム、David Hungate がベース、Steve Lukather がギターで再びこのアルバムの制作にも関わっていた。
だが、このアルバムの制作で TOTO のメンバーと同じくらい貢献したのが1970年代後半にディスコやファンク系バンドとして活動していた Rhythm Heritage の関係者だった。
Rhythm Heritage の中心人物のひとり、Michael Omartian は『Down Two Then Left』ではキーボードを始めとして、ホーンやストリングスのアレンジも担当。『Silk Degrees』でキーボードを担当し、後にやはり TOTO のメンバーとなる David Paich に代わる役割を果たしていた。
この Michael Omartian は後に多くのアーティストのアルバム制作やプロデュースに関わり、『We Are The World』では Quincy Jones と共同プロデューサーにクレジットされ、Christopher Cross の1979年のデビュー盤のプロデュースではグラミー賞の Album Of The Year を獲得、シングル『Sailing』では Record Of The Year を獲得する。
その Michael Omartian の Rhythm Heritage 時代の人脈から Scott Edwards がベースで、Victor Feldman がキーボードで、Jay Graydon と Ray Parker, Jr がギターで『Down Two Then Left』の制作に関わっていた。
『Down Two Then Left』がリリースされた1977年に TOTO を結成するメンバーと、ファンク系バンドとして活動していた Michael Omartian の人脈が集って、Boz のブルー・アイド・ソウルなボーカルが楽しめるアルバムが『Down Two Then Left』というアルバムだった。
ここには魅力のある曲が揃っていたが、パンクやディスコに徐々に人気が集まる中で『Down Two Then Left』は前作ほどの結果を残せず、全米チャートでは最高11位止まりと Top10 入りを惜しくも逃した。シングル・カットされた『Hard Times』と『Hollywood』もそれぞれ全米チャートで最高が58位と49位と成功とは言い難い結果だった。
だが、やはり個々の曲では聴きどころが多く、TOTO や Rhythm Heritage の関係者で固められたバックの演奏には引きつけられる箇所がたくさんある。その手練れなメンバーが揃った中で『Whatcha Gonna Tell Your Man』では Boz 自らがギター・ソロも披露している。
ドラムが好きな方には Jeff Porcaro のプレイにも注目な『Down Two Then Left』は、ジャケットに写る氷の象が涼しい感じを運んでくれる。でも、このタイトル『Down Two Then Left』とは、いったいどういう意味なんだろう…?
Down Two Then Left
Still Falling For You
Hard Times
A Clue
Whatcha Gonna Tell Your Man
We're Waiting
Hollywood
Then She Walked Away
Gimme The Goods
1993
Tomorrow Never Came/Tomorrow Never Came (Reprise)
タグ:Boz Scaggs 1977
2010-08-03 13:00
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