The Police／『Live!』

『Synchronicity』リリース後に行ったワールド・ツアーの後、The Police は1984年の春、その活動に一旦ピリオドを打った それから10年以上が経った1995年、The Police は突然2枚組のライブ盤をリリースした。この2枚組のライブ盤には全部で30曲が収録されていることにも驚かされたが、その内容は2つの異なる時代、会場でのライブだった。

1枚目のディスクには1979年11月27日にマサチューセッツ州ボストンにある Orpheum Theatre で行われたライブが収められ、2枚目のディスクには1983年11月2日と3日にジョージア州アトランタの The Omni で行われたライブが収められていた。

ボストンでのライブの時期は2ndアルバム『Reggatta de Blanc』をリリース直後に行った The Police として初のワールド・ツアーの頃。またアトランタでのライブはラスト・アルバム『Synchronicity』をリリース後に行ったワールド・ツアーの最初の北米ツアー終盤の頃のライブだった。

どちらのライブが好みかというと、バンドとしての勢いが感じられるボストンでのライブがより好きかもしれない。ボストンでのライブは『Reggatta de Blanc』のリリースから1か月ちょっとしか経っていない時期で、このアルバムからは4曲しかプレイされていないが、デビュー盤の『Outlandos d'amour』収録曲と遜色のないプレイをこのライブで披露している。

そしてボストンでのライブが行われた Orpheum Theatre はアメリカで最も古いシアターの1つとして知られ、客席が近いことからライブ会場にいるファンの歓声も、より身近に感じられた。

対してアトランタのライブは15,000人程度を収容できるアリーナでのライブで、3人の女性ボーカルも加えてのライブだった。会場の広さと、Sting の声もボストンでのライブに比べてシャープさが増したように感じられる。

ボストンのライブと『Message in a Bottle』など数曲でダブっているが、どちらが好みかはこれも意見が分かれるだろう。ボストンの荒削りだが疾走感のあるライブも良いし、4年という月日を経て無駄が少なくなり洗練された3人のプレイも隙がなく好感が持てる。

3人の女性ボーカルをステージに加えたことは賛否あるかもしれない。なんとなく The Police の曲に女性の声は合わない感じで、初期の曲にはそれをより一層感じてしまう。

2箇所でのライブが収められた変則ライブ盤だが、スタジオ・アルバムで3枚目の『Zenyatta Mondatta』と4枚目の『Ghost in the Machine』からの曲が、それぞれ2曲と1曲しかないことは少々残念なところだ。対して『Outlandos d'Amour』からは11曲もあり、『Reggatta de Blanc』からは6曲、そして『Synchronicity』からは8曲とほぼ全曲を収録と、選曲に偏りがある点は残念なところだ。

『Zenyatta Mondatta』と『Ghost in the Machine』からの曲も、できれば公式なライブ盤というかたちでいつの日か聴いてみたい。

Live!
【Disc 1】
Next to You
So Lonely
Truth Hits Everybody
Walking on the Moon
Hole in My Life
Fall Out
Bring on the Night
Message in a Bottle
The Bed's Too Big Without You
Peanuts
Roxanne
Can't Stand Losing You
Landlord
Born in the 50's
Be My Girl/Sally
【Disc 2】
Synchronicity I
Synchronicity II
Walking in Your Footsteps
Message in a Bottle
O My God
De Do Do Do, De Da Da Da
Wrapped Around Your Finger
Tea in the Sahara
Spirits in the Material World
King of Pain
Don't Stand So Close to Me
Every Breath You Take
Roxanne
Can't Stand Losing You
So Lonely

タグ：THE POLICE ライブ盤 1995