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Paul McCartney/『Снова В СССР』 [CD]

The-Russian-Album.jpg旧ソビエト連邦時代の1988年、Paul McCartney は全11曲の通称『The Russian Album』や『Back In The USSR』と呼ばれるカバー・アルバムをリリースした。

1980年代中盤の Paul は全英チャートで No.1 を記録した『Give My Regards To Broad Street』をリリースしたが、これをサウンドトラックとする映画そのものは酷評を受け、その後にリリースされたスタジオ・アルバム『Press To Play』は全英チャートでは最高8位を記録したが、全米チャートでは最高30位止まりと、 Paul のソロ・アルバムとしてワースト記録を更新した。

そんな結果を受け、次のアルバムの構想を練っていた Paul は1950年代の曲をセッション・ミュージシャン達とレコーディングを行い、その時の音源を使って、この『Снова В СССР』をソ連限定アルバムとしてリリースした。

ロシア語で The Beatles の『Back In The USSR』を表すタイトルのアルバムは、当初11曲入りで1988年にリリースされたが、翌1989年に『I'm Gonna Be A Wheel Some Day』と『Summertime』を追加して13曲入りバージョンがリリースされた。

このソ連限定のアルバムは他の地域ではリリースされなかったことでファンの間で話題になり、当時の輸入盤店ではオリジナルと見分けがつかない巧妙なブートレグ(海賊盤)も出回った。

The-Russian-Album_alt.jpgその後、1991年にソ連が崩壊し、このアルバムはようやく Paul の公式なアルバムとして旧ソ連圏以外でもリリースされ、この時にはさらに『I'm In Love Again』が追加された14曲入りバージョンになった。

この1991年版のアルバムはジャケットの色が1988年版に比べて淡い色が付き、Paul の名前もロシア語から英語表記に変更された。さらにこの時、アルバム・タイトルの位置が右下から左下に変更されたが、このロシア語表記が間違っていたというオマケもあった。

このセッションでは後に Paul のアルバム『Flowers In The Dirt』やその後のツアーにも帯同する Chris Whitten がドラムで参加していたが、他にこの時のセッションには1970年代から様々なバンドで活躍していたメンバーが集まり、中には Pete Townshend らに影響を与えたギタリストの Mick Green、The Animals や Ian Dury との活動経験もあるキーボード Mick Gallagher の名前があった。

Paul と年代が近いふたりの Mick と若いドラマーの Chris、そして Paul のベースがこのセッションの基本的なユニットだった。

同世代のメンバーと The Beatles 時代の初期のライブでもプレイをしていた曲をこのアルバムでは披露しているが、『Lucille』や『Ain't That A Shame』、『Twenty Flight Rock』は特にこのアルバムでも好きな曲だった。

この後、Paul は一時の低迷期を脱してワールド・ツアーも精力的に行う。そして10年後には再びオールデイズを集めた『Run Devil Run』というアルバムを作り、The Beatles 時代にもプレイをした Cavern Club で Mick Green らのメンバーとライブを実施。このライブはネットでも中継され、『Live at the Cavern Club!』というビデオもリリースされた。

Снова В СССР
Kansas City (Jerry Leiber/Mike Stoller)
Twenty Flight Rock (Eddie Cochran/Ned Fairchild)
Lawdy Miss Clawdy (Lloyd Price)
I'm In Love Again (Fats Domino/Dave Bartholomew)
Bring It On Home To Me (Sam Cooke)
Lucille (Richard Penniman/Albert Collins)
Don't Get Around Much Anymore (Duke Ellington/Bob Russell)
I'm Gonna Be A Wheel Some Day (Fats Domino/Dave Bartholomew/Roy Hayes)
That's All Right Mama (Arthur Crudup)
Summertime (George Gershwin)
Ain't That A Shame (Fats Domino/Dave Bartholomew)
Crackin' Up (Ellas McDaniel)
Just Because (Bob Shelton/Joe Shelton/Sydney Robin)
Midnight Special (Trad. Arr. Paul McCartney)



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