Queen／『Classic Queen』

Queen のアメリカでのレーベルが Hollywood Records に移って以降にリリースされたベスト盤の『Classic Queen』は、ベスト盤と呼ぶには『One Year Of Love』のようなアメリカではシングル・カットされたことのない曲があり、『Classic Queen』というタイトルだが1970年代の曲はデビュー・シングルの『Keep Yourself Alive』を含めても4曲しかないという、収録曲のセンスが少々変わっていた編集盤だった。

この『Classic Queen』がリリースされた頃は映画『Wayne's World』が公開され、その中で使われた『Bohemian Rhapsody』が Billboard 誌のシングル・チャートで最高2位をマークし、そのサウンドトラック盤は No.1 を記録していた。前年に Freddie Mercury が亡くなったことも相まって、この『Classic Queen』は全米アルバム・チャートで最高4位まで上昇、アメリカでのセールスは300万枚に達した。

『Classic Queen』の収録曲で過去にシングル・カットされたことのない『Stone Cold Crazy』は1991年に Metallica が『Enter Sandman』のカップリングに選びカバーしていて、そのことからも Queen という名前に再び注目が集まっていた。

Queen は活動後期に曲のクレジットを全て Queen 名義に統一したが、『Stone Cold Crazy』は初期の Queen の曲でメンバー4人の名前がクレジットされた唯一の曲でもあった。

また『Classic Queen』では『Under Pressure』や『The Miracle』、『One Vision』が、アルバム収録にされたバージョンや既発のシングルとは違う編集が施されたバージョンとして収録されていた。

アメリカでは『Classic Queen』のリリースと同じ1992年に今度は赤いジャケットの『Greatest Hits』がリリースされた。収録曲を見るとこの『Greatest Hits』の方が Queen の Classic なヒット曲を多く収録していた。

このアメリカ版の新装『Greatest Hits』は当時 Hollywood Records に1981年にリリースされた『Greatest Hits』をリリースする権利がなかった為、『Classic Queen』に含まれた『Bohemian Rhapsody』などを1981年版『Greatest Hits』から除き、全米チャートで最高11位を記録した『Body Language』や、アルバム『Queen II』から『Seven Seas Of Rhye』などの6曲が追加されていた。

Queen の意思が反映された公式なベスト盤としては英国仕様の『Greatest Hits』と『Greatest Hits II』があるが、この Hollywood Records というレーベル側の思惑から編集された『Classic Queen』と『Greatest Hits』の2枚もアメリカでの Queen の人気を反映したアルバムとして面白いアルバムだと思う。

Classic Queen
A Kind Of Magic
Bohemian Rhapsody
Under Pressure
Hammer To Fall
Stone Cold Crazy
One Year Of Love
Radio Ga Ga
I'm Going Slightly Mad
I Want It All
Tie Your Mother Down
The Miracle
These Are the Days Of Our Lives
One Vision
Keep Yourself Alive
Headlong
Who Wants To Live Forever
The Show Must Go On

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