The Jam/『This Is The Modern World』 [CD]
デビュー盤『In The City』から約半年で届けられた The Jam の2ndアルバム『This Is The Modern World』は、デビュー盤にあったパンク的な要素が薄れたアルバムで、初めて聴いた時は「???」という感じのアルバムだった。
デビュー盤とこの2ndアルバムの間にはシングル『All Around The World』がリリースされて全英チャートで最高13位を記録と、デビュー・シングルの『In The City』の最高40位を大きく上回る結果を残した。B面に収められた『Carnaby Street』もパンクらしい感じの曲で好きな曲だが、この2曲は2ndアルバムには収録されなかった。
また『This Is The Modern World』のリリースに合わせてカットされた3rdシングルはアルバムのトップを飾る『The Modern World』と、ロンドンにある The 100 Club でプレイされた1960年代の2曲のヒット曲のカバーが収められていた。
シングルのB面に収められた『Sweet Soul Music』と『Back In My Arms Again』は明らかに1stアルバム『In The City』の流れを汲む曲で、Otis Redding や Sam Cooke の名前がクレジットされた前者は1967年の全米チャートで最高2位を、全英チャートでも最高7位を記録した。もう1曲の『Back In My Arms Again』は The Supremes の1965年のヒット曲で、こちらは全米チャートで No.1 に、全英チャートでは最高40位を記録した曲だった。
3rdシングル『The Modern World』に含まれた3曲を聴くと、同じ時期にリリースされた2ndアルバム『This Is The Modern World』もデビュー盤と同じパンクの色合いが濃いアルバムかと考えてしまうが、このアルバムにはデビュー盤ほどパンクの要素が感じられなかった。
アルバムの2曲目『London Traffic』にはまだパンクっぽい要素があったが、続く『Standards』では3人それぞれのプレイにやや洗練された雰囲気があり、これをパンクと言うには無理があるように感じる。続く『Life From A Window』も同様でこの曲の Paul Weller のボーカルはそれまでの曲に比べると、2ndアルバムのジャケットから受けるようなソフトな印象だった。
時折パンクらしいスピード感のある曲やアグレッシブなスタイルのボーカルの曲もあったが、デビュー盤と比較すると明らかに The Jam のスタイルに変化の兆しが見られるアルバムで、この2枚のアルバムの間にリリースされたシングルに期待をすると肩透かしを食らってしまうアルバムだった。
そんな曲が多い中、『In The Street Today』はデビュー盤に通じる曲で、この2ndアルバムでは好きな曲の1つだった。続く『London Girl』もタイトルがコールされる箇所はライブで映えそうな曲に感じられた。『London Girl』は途中のソロ・パートも同じようにライブでは見せ場になると思える曲だった。
だが『I Need You (For Someone)』や『Here Comes The Weekend』では再びそれまでの曲と傾向が異なる曲で、The Jam の進むべき方向を探る曲のように感じる。
カバー曲の『In The Midnight Hour』を除くと実質2ndアルバムの最後を飾るオリジナル曲の『Tonight At Noon』はアコースティック・ギターをより前面に出した曲で、デビュー盤から半年でこれ程サウンドの傾向が変わるものかと少々面を喰らってしまう。これをリアルに体験したファンはどういう思いでこの『Tonight At Noon』を聴いたのだろう。
そして2ndアルバム『This Is The Modern World』は1965年の Wilson Picket のヒット曲『In The Midnight Hour』で最後となる。後に多くのアーティストにもカバーされ、オリジナルは当時の R&B チャートで No.1 を記録したこの曲を The Jam は2分にも満たない短い時間であっさりと仕上げているが、いかにも The Jam らしい雰囲気のある曲だった。
この『In The Midnight Hour』がアルバムの最後に置かれたことで、それまでのファンはこのアルバムを一応納得して聴き終えたのかもしれないが、パンク的な要素を少しずつ変えつつある The Jam の姿勢には戸惑いもあったのではないだろうか。
The Jam の2ndアルバム『This Is The Modern World』はタイトルに London を含む2曲やカバー曲などデビュー盤の雰囲気を残す曲に親しみを感じる一方で、新たな方向を探る曲にちょっと戸惑いも感じてしまうアルバムだった。
This Is The Modern World
The Modern World
London Traffic
Standards
Life From A Window
The Combine
Don't Tell Them You're Sane
In The Street Today
London Girl
I Need You (For Someone)
Here Comes The Weekend
Tonight At Noon
In The Midnight Hour
デビュー盤とこの2ndアルバムの間にはシングル『All Around The World』がリリースされて全英チャートで最高13位を記録と、デビュー・シングルの『In The City』の最高40位を大きく上回る結果を残した。B面に収められた『Carnaby Street』もパンクらしい感じの曲で好きな曲だが、この2曲は2ndアルバムには収録されなかった。
また『This Is The Modern World』のリリースに合わせてカットされた3rdシングルはアルバムのトップを飾る『The Modern World』と、ロンドンにある The 100 Club でプレイされた1960年代の2曲のヒット曲のカバーが収められていた。
シングルのB面に収められた『Sweet Soul Music』と『Back In My Arms Again』は明らかに1stアルバム『In The City』の流れを汲む曲で、Otis Redding や Sam Cooke の名前がクレジットされた前者は1967年の全米チャートで最高2位を、全英チャートでも最高7位を記録した。もう1曲の『Back In My Arms Again』は The Supremes の1965年のヒット曲で、こちらは全米チャートで No.1 に、全英チャートでは最高40位を記録した曲だった。
3rdシングル『The Modern World』に含まれた3曲を聴くと、同じ時期にリリースされた2ndアルバム『This Is The Modern World』もデビュー盤と同じパンクの色合いが濃いアルバムかと考えてしまうが、このアルバムにはデビュー盤ほどパンクの要素が感じられなかった。
アルバムの2曲目『London Traffic』にはまだパンクっぽい要素があったが、続く『Standards』では3人それぞれのプレイにやや洗練された雰囲気があり、これをパンクと言うには無理があるように感じる。続く『Life From A Window』も同様でこの曲の Paul Weller のボーカルはそれまでの曲に比べると、2ndアルバムのジャケットから受けるようなソフトな印象だった。
時折パンクらしいスピード感のある曲やアグレッシブなスタイルのボーカルの曲もあったが、デビュー盤と比較すると明らかに The Jam のスタイルに変化の兆しが見られるアルバムで、この2枚のアルバムの間にリリースされたシングルに期待をすると肩透かしを食らってしまうアルバムだった。
そんな曲が多い中、『In The Street Today』はデビュー盤に通じる曲で、この2ndアルバムでは好きな曲の1つだった。続く『London Girl』もタイトルがコールされる箇所はライブで映えそうな曲に感じられた。『London Girl』は途中のソロ・パートも同じようにライブでは見せ場になると思える曲だった。
だが『I Need You (For Someone)』や『Here Comes The Weekend』では再びそれまでの曲と傾向が異なる曲で、The Jam の進むべき方向を探る曲のように感じる。
カバー曲の『In The Midnight Hour』を除くと実質2ndアルバムの最後を飾るオリジナル曲の『Tonight At Noon』はアコースティック・ギターをより前面に出した曲で、デビュー盤から半年でこれ程サウンドの傾向が変わるものかと少々面を喰らってしまう。これをリアルに体験したファンはどういう思いでこの『Tonight At Noon』を聴いたのだろう。
そして2ndアルバム『This Is The Modern World』は1965年の Wilson Picket のヒット曲『In The Midnight Hour』で最後となる。後に多くのアーティストにもカバーされ、オリジナルは当時の R&B チャートで No.1 を記録したこの曲を The Jam は2分にも満たない短い時間であっさりと仕上げているが、いかにも The Jam らしい雰囲気のある曲だった。
この『In The Midnight Hour』がアルバムの最後に置かれたことで、それまでのファンはこのアルバムを一応納得して聴き終えたのかもしれないが、パンク的な要素を少しずつ変えつつある The Jam の姿勢には戸惑いもあったのではないだろうか。
The Jam の2ndアルバム『This Is The Modern World』はタイトルに London を含む2曲やカバー曲などデビュー盤の雰囲気を残す曲に親しみを感じる一方で、新たな方向を探る曲にちょっと戸惑いも感じてしまうアルバムだった。
This Is The Modern World
The Modern World
London Traffic
Standards
Life From A Window
The Combine
Don't Tell Them You're Sane
In The Street Today
London Girl
I Need You (For Someone)
Here Comes The Weekend
Tonight At Noon
In The Midnight Hour
2010-10-07 12:09
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