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Cheap Trick/『at Budokan』 [CD]

At-Budokan.jpg今年の春、ドラムの Bun E. Carlos がツアーに同行しないという発表をして、ファンを少し驚かせた Cheap Trick。同時にこの発表ではツアーに同行しないというだけで、決して Cheap Trick を脱退した訳ではないとも記されていた。

その Cheap Trick が1978年に日本で先行してリリースしたライブ盤の『at Budokan』が、先日イギリスで発表された Classic Rock Roll Of Honour で Classic Album という部門で受賞したと報じられた。

当初は日本だけでリリースされた『at Budokan』がアメリカでも人気が飛び火して、1979年に入ると正式にアメリカでもリリースされたというのは有名な話。『at Budokan』は全米チャートで最高4位を記録して売上も300万枚を突破。1979年の Billboard 誌の年間チャートでは Top Pop Album 部門の13位にもランクされた。

今でこそ日本のファンの歓声は欧米のコンサートと大差ないが、この『at Budokan』に収録された1978年当時の日本のコンサートでは女性の歓声が凄まじく、その模様はしっかりこのライブ盤にも収録されている。

太平洋の遙か彼方にある日本で行われたライブの模様を収めたアルバムが逆輸入のかたちで紹介されたアメリカでは、日本のファンの黄色い歓声(死語?)はどのように感じたのだろう。

アメリカでは『at Budokan』から2枚のシングルがカットされ、『I Want You To Want Me』が最高7位を、『Ain't That a Shame』が最高35位を記録した。

全部で10曲、40分ちょっとしかない『at Budokan』のアルバムとしての流れは今聴いても素晴らしいと思う。ライブのオープニングを告げるアナウンスに始まり、Cheap Trick のメンバーによるライブ開始の挨拶の曲『Hello There』でこの『at Budokan』はスタートする。

4人のメンバーとファンの歓声によるライブはその後も盛り上がり続け、このライブが行われた頃に未発表だった『Lookout』でもその熱狂ぶりは収まる様子がない。(『Lookout』はその後、1998年にリイシューされたデビュー盤『Cheap Trick』のボーナス曲として発表された)

『Need Your Love』も当時未発表だった曲の1つで、『at Budokan』が予想外のヒットをしたおかげでリリースを遅らせた通算4枚目のアルバム『Dream Police』に収録される予定の曲だった。

『at Budokan』はライブの終わりを告げる『Goodnight Now』でひとまず終了するが、その後の『Clock Strikes Ten』で再び大いに盛り上がり、ファンの絶叫の中、『at Budokan』は幕を下ろす。

実際に行われたコンサートどおりの順番ではなかった『at Budokan』だったが、ここある10曲の流れはアルバムとしてみた場合にはベストな曲順だった。後に2枚組で全19曲を収めた『at Budokan』の完全盤や、『at Budokan』に収録されなかった曲を集め編集した『at Budokan II』、そして実際のライブから30周年を記念したバージョンもリリースされたが、アルバムとしての流れをみると『at Budokan』を超えるものは1つもなかった。

そんな『at Budokan』が今再びイギリスで評価されて賞を得た。Cheap Trick の出身であるアメリカではなくてイギリスのメディアがこの『at Budokan』を再評価したという点もなかなか面白いことだと思う。

at Budokan
Hello There
Come On, Come On
Lookout
Big Eyes
Need Your Love
Ain't That a Shame
I Want You To Want Me
Surrender
Goodnight Now
Clock Strikes Ten



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seawind335

「at Budokan」リアルタイムでした!!
このアルバムは、Liveアルバムとしても質の高いものだと思います。
不思議なのは、実際のセット・リストと順番が異なるにもかかわらず、“アナザー・ストーリー”ともいうべく、1つの流れが見事に連なっているところです。編集の勝利でしょうか。
特に1曲目から4曲目までの流れは、圧巻ですね。

蛇足ですが、先日の「「at Budokan again」でも、1曲目~2曲目は、MCも含めて完全にこのアルバムを再現していました。
by seawind335 (2010-11-16 23:17) 

MCMLXV_65

『at Budokan』がリアルタイムだったんですか! それじゃとてもこのライブ盤には感慨深いでしょうね!! 仰るとおり、実際のライブと曲順が違うにも関わらず、アルバムとしての、ライブ盤としての完成度が抜群に高いですね、このアルバム。

私は『at Budokan…again』をリアルに見てきました。実はこのライブもここで紹介しようと思っていまして…。^^
by MCMLXV_65 (2010-11-17 00:27) 

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