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Led Zeppelin/『BBC Sessions』 [CD]

BBC-Sessions-Led-Zeppelin.jpgイギリスの公共放送である BBC でレコーディングされた音源は、このブログでも先日取り上げた The JamPaul Weller の他にも多くのアーティストがアルバムとしてリリースしている。この Led Zeppelin が1997年にリリースした『BBC Sessions』という2枚組のタイトルには全部で24曲が収録されていた。

この『BBC Sessions』は Led Zeppelin の公式なアルバムとしては1982年のスタジオ・アルバム『Coda』以来で、公式なライブ盤になると1976年の『The Song Remains The Same』以来となる2枚目の公式ライブ・アルバムだった。

1枚目に収録された14曲は1969年に BBC でレコーディングされた曲で、デビュー盤の『Led Zeppelin』から同じ年の10月にリリースした『Led Zeppelin II』までの間に全てレコーディングされた。そして2枚目には1971年4月、ロンドンにある Paris Theatre で行われたライブの10曲が収められていた。このライブが行われた時期は4枚目のアルバム、通称 Four Symbols がリリースされる1か月前の頃だった。

ブートレグ(海賊盤)でもお馴染みな音源が Jimmy Page の手により新たにマスタリングされリリースされた『BBC Sessions』は全米チャートで最高12位を記録し、200万枚以上のセールスも記録。イギリスのアルバム・チャートでも最高23位まで上昇し、15万枚以上の売上げを記録してゴールド・ディスクを獲得した。

Led Zeppelin のアルバムはかろうじて1982年の『Coda』がリアルタイムで、それ以外のアルバムは全て後追いで聴いたものばかりだったが、どのアルバムも内容は素晴らしかった。パンク全盛の時期である1979年にリリースされた『In Through The Out Door』だけは少し勢いに陰りが感じられたが、このアルバムもバンドが継続していたら新たな方向性を示す一枚になっていたかもしれない。

ライブ盤の『The Song Remains The Same』はオリジナルが2枚組にも関わらず9曲しかなかったため、スタジオ・アルバムほど聴き込んだアルバムではなかった。しかし、Led Zeppelin のライブはスタジオ・アルバムと違い、どれも4人の緊張感が生むグルーブが素晴らしいと評判で、ブートレグの数の多さからもいつかはライブでの Led Zeppelin の曲もいろいろ聴きたいと思っていた。

John Bonham の死を境に Led Zeppelin の4人としての活動が事実上消滅し、最後のスタジオ・アルバムからも久しい1997年に突如登場したこの『BBC Sessions』はそんな思いを実現するアルバムだったが、リリース当時はライブでの Led Zeppelin の良さが正直まだわからないアルバムだった。

この2枚組のライブ盤の世間の評判として「同じ曲が幾つもある」とか、「演奏に怠い感じを受ける」という内容がある。それはある意味ではこのアルバムを表しているが、決して正しい評価でもないと、後になって分かるようになった。

BBC に残した音源が Led Zeppelin 以外にも多くリリースされるようになり、ラジオでオンエアされることを前提にしたレコーディングが通常のライブと異なる環境だったことや、限られた時間でそのバンドの持つスタイルをいかに表現するかを BBC でのレコーディング音源では楽しむことで、スタジアム・ライブなどと違う魅力を知ることもできるようになった。

そういう意味ではブートレグでお馴染みだった曲が外部の手によってではなく、バンド内の事情をよく知る Jimmy Page の手で丁寧にマスタリングされ、2枚組としてリリースされたことはとても意味のあることだった。

「演奏が長くダルく感じる」という一部の評価も、Led Zeppelin のブルースに対する思いがよく表れていると思うと決して悪い印象はなく、このような場でないと表現できなかった内容として、Led Zeppelin が単なるハード・ロックなバンドではないことを知るきっかけにもなった。

そう思いながらこの『BBC Sessions』を聴くと9枚のスタジオ・アルバムでは見えてこない Led Zeppelin の側面が浮かび上がってくる。他にも BBC に残した音源はあると思われるので、いつか Jimmy Page の手でそれらが発掘されることを期待したくなる。

BBC-Sessions-Led-Zeppelin.jpgBBC Sessions BBC Sessions (Live) [Remastered] - Led Zeppelin
【Disc 1】
You Shook Me
I Can't Quit You Baby
Communication Breakdown
Dazed And Confused
The Girl I Love She Got Long Black Wavy Hair
What Is And What Should Never Be
Communication Breakdown
Travelling Riverside Blues
Whole Lotta Love
Somethin' Else
Communication Breakdown
I Can't Quit You Baby
You Shook Me
How Many More Times
※:John Peel's Top Gear (recorded 3 March 1969)
★:Chris Grant's Tasty Pop Sundae (recorded 16 June 1969)
▽:John Peel's Top Gear (recorded 24 June 1969)
◆:One Night Stand (recorded 27 June 1969)
【Disc 2】
'In Concert' recorded 1 April 1971 at the Paris Theatre, London
Immigrant Song
Heartbreaker
Since I've Been Loving You
Black Dog
Dazed And Confused
Stairway To Heaven
Going To California
That's the Way
Whole Lotta Love
(inc. Boogie Chillun', Fixin' To Die, That's Alright Mama, A Mess Of Blues)
Thank You


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seawind335

選曲も彼らが一番「脂の乗った」時期の楽曲群ですね。
それにしても、BBCって貴重な音源を持っていますね。
まだ何か「お宝」が・・・・・
by seawind335 (2010-12-28 22:59) 

MCMLXV_65

1969年から1971年というわずか2年の間の音源なんですが、いい曲をたくさんプレイしていますよね! まだこの頃はブルースの香りの残るプレイも随所に合って、ハード・ロックというジャンルには括れない魅力もあります。深いファンではないのですが、BBCの音源って後期の頃のはないんでしょうかね?
by MCMLXV_65 (2010-12-28 23:17) 

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