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Joan Jett/『I Love Rock 'n' Roll』 [CD]

I-Love-Rock-N-Roll.jpgこの Joan Jett の1981年の出世作『I Love Rock 'n' Roll』のジャケットは、David Bowie の『Ziggy Stardust (1972)』や Queen の『Queen II (1974)』のジャケット写真も撮影した Mick Rock が手掛けたということを、つい最近知った。

1981年の11月にリリースされたこの『I Love Rock 'n' Roll』は The Blackhearts もクレジットされた初のアルバムで、全米チャートで最高2位まで上昇。約半年後にはアメリカだけで100万枚のセールスを突破してプラティナ・ディスクも獲得した。

このアルバムで一番有名な曲はタイトル曲で1975年に Arrows がリリースしたシングル『I Love Rock 'n' Roll』だろう。オリジナルはチャートインを果たせなかったが、Joan Jett & The Blackhearts のバージョンは全米チャートで1982年3月から7週間連続で No.1 を記録。売上げでも100万枚を突破し、一躍 Joan Jett の存在をスターに押し上げた。

『I Love Rock 'n' Roll』はこの The Blackhearts とのバージョンの他に、1979年に Sex Pistols のメンバーとレコーディングしたバージョンも存在し、こちらは1993年にリリースされたベスト盤の『Flashback』に収録されている。Sex Pistols とのバージョンはデモという雰囲気で荒削りな感じだが、Joan Jett はそのバージョンでも既に独特なボーカル・スタイルを披露していて、この Sex Pistols バージョンも一聴の価値がある。

そして『I Love Rock 'n' Roll』は Billboard 誌が選ぶ1958年から2008年までの50年間の歴代シングルでも56位に選ばれている。

アルバム『I Love Rock 'n' Roll』からはもう一曲、カバー曲がシングル・カットされた。1968年に Tommy James & The Shondells がリリースした『Crimson and Clover』で、オリジナルは全米チャートで2週間 No.1 になり、売上げは500万枚以上にも達した。Joan Jett & The Blackhearts のバージョンはアルバムからの2ndシングルに選ばれ、全米チャートで最高7位を記録した。

このアルバムにはシングル・カットされた2曲以外にもカバー曲があり、『Nag』は1961年に The Halos がシングル・リリースした曲。『Bits And Pieces』は1964年に The Dave Clark Five がシングル・カットして全英チャートで最高2位を記録した。

『You're Too Possessive』は厳密にはカバーとは呼べないかもしれないが、Joan Jett が在籍していた The Runaways の1977年のアルバム『Waiting For The Night』に収録された曲で、Joan Jett 自らが書いた曲。

そしてアルバムの最後に収められた『Little Drummer Boy』は1958年に The Harry Simeone Chorale がレコーディングした曲で、今ではクリスマス・ソングの定番になり、Johnny Cash や Ray Charles、David Bowie & Bing Crosby、Chicago、Faith Hill など多くのアーティストがカバーしている。

アルバム『I Love Rock 'n' Roll』は収録曲数の半分以上がカバー曲で構成されていたが、いずれのカバー曲もタイトル曲のように Joan Jett & The Blackhearts のスタイルになっていて、オリジナルが持つ雰囲気に負けない曲に仕上がっていた。

The Runaways の『You're Too Possessive』は中盤で聴けるドラムやギターのパートも見事で、Joan Jett & The Blackhearts のオリジナルと呼べるようなスタイルに生まれ変わっていた。

オリジナルの曲では豪快なギターで始まる『(I'm Gonna) Run Away』がアルバム・タイトルに相応しいロックンロールな曲で、ミッド・テンポな『Love Is Pain』は少しインパクトに欠ける弱い感じの曲だが、鞭のしなるような擬音が曲にアクセントをつけていた。

残る『Victim of Circumstance』と『Be Straight』では Joan Jett のシャウトが映えるまさにロックンロールな曲で、ギター・ソロのパートを聴くと思わずライブ・ステージで聴きたくなるような感覚にもなる。共に3分に満たない曲だが、ロックンロールの醍醐味が大いに詰まった曲だった。

Joan Jett はシングル『I Love Rock 'n' Roll』の一発屋のイメージが強く、あまり他のシングルやアルバムは知られていないようだが、Joan Jett を良く知るファンにはカバー曲を選ぶセンスや、ロック感が溢れているオリジナル曲などから、ネガティブなイメージはほとんど聞かれない。

このアルバム『I Love Rock 'n' Roll』も久々に聴いたが、全世界で1000万枚以上も売れている理由がよくわかるアルバムだった。なお、アルバム最後にある『Little Drummer Boy』はオリジナル・リリース当時に収録されていた曲だが、その後『Oh Woe Is Me』に差し替えられた。しかし、現在出回っている CD 版の『I Love Rock 'n' Roll』には2曲とも収録されているようだ。

I-Love-Rock-N-Roll.jpgI Love Rock 'n' Roll I Love Rock 'N Roll (Remastered) - Joan Jett & The Blackhearts
I Love Rock 'n' Roll
(I'm Gonna) Run Away
Love Is Pain
Nag
Crimson and Clover
Victim of Circumstance
Bits and Pieces
Be Straight
You're Too Possessive
Little Drummer Boy
タグ:Joan Jett 1981


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seawind335

Joan Jett 格好良かったですよね!

彼女の直向きなまでにRockを追求する姿勢は、リスペクトできます。
by seawind335 (2011-01-07 00:38) 

MCMLXV_65

seawind335さんのコメント、真にそのとおりです! シンプルでかつロック、カバーのセンスも抜群! 寒い日に久しぶりにJoan Jettのアルバムを聴くと体の芯から温まりそうです。^^
by MCMLXV_65 (2011-01-07 01:03) 

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