Freddie Mercury／『The Great Pretender』

昨日、ブログで取り上げた Michael Jackson ともう一人、ラジオを聞きながら涙してしまったアーティストがいる。それは Freddie Mercury。こちらも言わずと知れた Queen のリード・ボーカリストで、かつ、そのスタイルは世界で唯一無二の存在だった。

Freddie が亡くなった1991年11月24日のことは今でも鮮明に記憶に残っていて、当時の夕刊に小さく掲載された訃報の記事は今でも Queen のアルバム『Innuendo』の CD に挟んでいる。

その訃報からしばらくして NHK-FM でオンエアされた渋谷陽一氏の DJ で Freddie Mercury の追悼番組が放送された。その時も Michael Jackson の J-WAVE での特番と同じく音だけの FM 放送を食い入るように聞きいった。Queen で Freddie がリード・ボーカルを務める曲と渋谷氏の独特の喋りに耳を傾け、自然と泣けてしまったことを今でも憶えている。

ラジオを聞きながら泣いてしまったことは、この2回だけだと思う。映像が飛び込んでこないラジオだから思い入れがないとそう記憶に残らないが、このふたりの訃報に関する番組はふたりの亡くなった当日でないにも関わらず泣けてしまった。

今回のブログでは Freddie がソロとしてリリースした数少ない僅かなアルバムの中から、1992年にリリースされた少々変わったベスト盤の『The Great Pretender』を取り上げてみた。この『The Great Pretender』はアメリカの Hollywood Records からリリースされたアルバムで、ほぼ同じ収録曲でイギリスでは『The Freddie Mercury Album』というアルバムが Parlophone からリリースされている。

『The Great Pretender』が普通のベスト盤と少々変わっていた点は収録曲のほぼ全てがリミックス・バージョンになっていたところだった。

アルバムは The Platters の1956年の全米 No.1 シングル『The Great Pretender』のカバーで始まり、Freddie のバージョンはオリジナルが1987年にリリースされ、全英チャートで最高4位を記録した。

このベスト盤には Freddie の初ソロ・アルバム『Mr. Bad Guy』から6曲が選ばれ、それ以外に映画『Metropolis』に提供した『Love Kills』や、ミュージカル『Time』に提供したタイトル曲の『Time』と『In My Defence』、Montserrat Caballé とのアルバム『Barcelona』の頃の曲『Exercises In Free Love』が収められ、『Exercises In Free Love』を除き、お馴染みのバージョンと違うリミックスが採用されていた。

ここにある11曲はどれも Freddie らしいボーカルが楽しめる曲ばかりだが、リミックスされたことでバックの演奏にも少しスポットが当てられいた。

Queen のアルバム『The Game』以降でエンジニアやプロデュースとして関わった Mack や、『A Kind Of Magic』のプロデューサーである David Richards がこのベスト盤にある曲のプロデュースを担当していたので、それぞれの曲がどことなく Queen というバンドを感じさせる曲にリミックスされているのも面白かった。

そんな中、元 Chic の Nile Rodgers がリミックスを手掛けた『Time』だけは、それ程大きく原曲のイメージを変えない控え目なリミックスに仕上がっていた。

このベスト盤には今、某 CM で話題の『I Was Born To Love You』はなく、また、聴き慣れたオリジナルのバージョンが少ないことや、『Mr. Bad Guy』からの曲が多いこともあって Freddie の数少ないアルバムの中で一際人気がないアルバムかもしれない。だが、新たなリミックス・バージョンが Queen を意識したような曲になっているので、Queen が好きなら一度聴いてみることをお勧めしたいアルバムでもある。

The Great Pretender
The Great Pretender (Brian Malouf Mix)
Foolin' Around (Steve Brown Mix) ※
Time (Nile Rodgers Mix)
Your Kind Of Lover (Steve Brown Mix) ※
Exercises In Free Love
In My Defence (Ron Nevison Mix)
Mr. Bad Guy (Brian Malouf Mix) ※
Let's Turn It On (Jeff Lord-Alge Mix) ※
Living On My Own (Mix) ※
My Love Is Dangerous (Jeff Lord-Alge Mix) ※
Love Kills (Richard Wolf Mix)
※:『Mr. Bad Guy』収録曲

タグ：Freddie Mercury 1992

コメント 4

偉大なシンガーが亡くなってから、もう20年になるのですね・・・
確かにソロアルバムでの彼は、敢えてQueenとは異なるアプローチをしていましたね。
by seawind335 (2011-01-10 19:43) 

そうなんですね、もう20年なんですよねぇ。そんなに経つなんて、ほとんど実感がないんですけどねぇ…。Freddieのソロ活動って、ほんの少しの期間だったんですけど、もっと、いろいろなソロでの曲を聴いてみたかったですネ。
by MCMLXV_65 (2011-01-10 20:12) 

クイーンもフレディーも大好きでした。。
今もよく聞きます＾＾）
by rtfk (2011-01-11 16:52) 

rtfkさん、コメントありがとうございます。今年はFreddieのCM登場に始まり、これからベスト盤のリイシュー、各アルバムの順次リイシューが行われる予定ですので、都度話題に上がって、再びそれぞれのアルバムをまた最初から聴くことになりそうですネ! ＾＾
by MCMLXV_65 (2011-01-11 17:10)