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Cream/『BBC Sessions』 [CD]

BBC-Sessions.jpgこの Cream の『BBC Sessions』もスタジオでレコーディングされ、英国 BBC でオンエアされた音源がまとめられたアルバムで、1枚の CD に全部で22曲が収められている。

ここには Eric Clapton のインタビューも4つ収録され、それらにもインデックスが付与されているためトラック数では26曲になるが、曲のダブりは『Steppin' Out』が2曲ある以外、重複を避けた選曲が行われている。

Cream が BBC で行ったセッションは最初が1966年10月21日とされ、この時の音源は残念ながらこの『BBC Sessions』に収録されなかった。また、それ以外のセッションの音源からもプレイはされたが曲の重複を避ける意味からか、収録が見送られた曲が幾つかあり、完全に BBC でのセッションを収めたアルバムではなかった。

この『BBC Sessions』はライブ・アルバムのかたちをとってはいるが、普通のライブと違って Cream の3人の前に観衆はなく、Eric Clapton と Jack Bruce、Ginger Baker のストイックなプレイがここでは楽しめる。

アルバムで5曲目の『Crossroads 』までに行われた2回のセッションは、まだデビュー盤の『Fresh Cream』がリリースされる前の頃で、『Cat's Squirrel』から『Lawdy Mama』までの4曲をプレイした日がデビュー盤の『Fresh Cream』がリリースされた1966年12月9日だった。

それ以降、『Sunshine of Your Love』を含む1967年10月24日のセッションまで、3回のレコーディングが行われ、翌11月に2ndアルバムの『Disraeli Gears』がリリースされた。

1970年4月にリリースされた『Live Cream』などのライブ盤で聴ける Cream の曲は、5分以上の曲から10分を越す曲までライブならではのプレイが収められているが、この『BBC Sessions』ではオンエアが前提になっているため、1曲1曲のプレイ時間がとても短い。しかし、約3分弱という時間の中で3人が紡ぎ出す緊張感はファンを目の前にしたライブとはまた違うテンションがある。

またこの『BBC Sessions』には多くのカバー曲も収められていた。1950年に Muddy Waters が書いた『Rollin' and Tumblin'』を始めとして、唯一、2つのバージョンが収められた『Steppin' Out』は1966年の『Blues Breakers with Eric Clapton』に収められていた曲で、Eric Clapton にとってはセルフカバーとも呼べる曲。

『Crossroads』は Robert Johnson の1936年の『Cross Road Blues』を Eric Clapton がアレンジした曲で、Robert Johnson の曲は他にも1937年の『Four Until Late』が取り上げられていた。

『I'm So Glad』は1931年に Skip James が書いた曲で、『Born Under a Bad Sign』はこのセッションが行われた頃と同じ1967年に Booker T. Jones と William Bell によって書かれ、Albert King がレコーディングした曲。

『BBC Sessions』最後のカバー曲『Outside Woman Blues』は再び1930年代の曲で、Blind Willie Reynolds のオリジナルを Cream が30年以上の歳月を経て蘇らせ、後に1980年にリリースされた Jimi Hendrix のライブ盤『Woke Up This Morning and Found Myself Dead』にも収められていた。

ラジオでオンエアされた音源だけあって曲紹介のコメントもあり、純粋に Cream のプレイだけを楽しむわけにはいかないアルバムだが、スタジオ・アルバムや観衆を前に収録されたライブ盤とも違う Cream のプレイが楽しめるので、この『BBC Sessions』も貴重な記録を収めた一枚と言えるだろう。

BBC-Sessions.jpgBBC Sessions
Sweet Wine
Eric Clapton Interview 1
Wrapping Paper
Rollin' and Tumblin' (Muddy Waters)
Steppin' Out (James Bracken)
 recorded November 8, 1966
        at the BBC Playhouse Theatre, London


Crossroads (Robert Johnson arranged by Clapton)
 recorded November 28, 1966 at Aeolian 2, London

Cat's Squirrel (Traditional arranged by S. Splurge)
Traintime
I'm So Glad (Skip James)
Lawdy Mama (Traditional arranged by Clapton)
 recorded December 9, 1966 at Maida Vale 4, London

Eric Clapton Interview 2
I Feel Free
N.S.U.
Four Until Late (Robert Johnson arranged by Clapton)
 recorded January 10, 1967 at the BBC Playhouse Theatre, London

Strange Brew
Eric Clapton Interview 3
Tales of Brave Ulysses
We're Going Wrong
 recorded May 30, 1967 at the BBC Playhouse Theatre, London

Eric Clapton Interview 4
Born Under a Bad Sign (Booker T. Jones, William Bell)
Outside Woman Blues (Blind Willie Reynolds)
Take It Back
Sunshine of Your Love
 recorded October 24, 1967 at Aeolian 2, London

Politician
SWLABR
Steppin' Out (James Bracken)
 recorded January 9, 1968 at Aeolian 2, London


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コメント 4

seawind335

本当にBBCは、貴重な音源を持っています。
Creamを初めて聴いた時は衝撃的だったなぁ・・・
by seawind335 (2011-01-12 00:40) 

MCMLXV_65

この間、取り上げたZepに続いてCreamのBBC音源を引っ張り出してきましたが、こちらもいいサウンドでした。今から40年以上前の音源を、こうして後世でも聴けるようにキチンと管理していることって、スゴイことですよね! Creamのオリジナル・アルバムって一枚もなく、あともう一つ手元にあるのも4枚組のBoxなんですが、そっちも続けて聴きたくなりました。^^
by MCMLXV_65 (2011-01-12 00:56) 

rtfk

中高生のとき ジャック。ブルース大好き少年でした^^)
by rtfk (2011-01-12 10:53) 

MCMLXV_65

Jack Bruceが好きだったとは、なかなか渋い中高生ですね。^^ Jack BruceはGinger Bakerと仲が悪くて、ステージ上で喧嘩したりもしてたんですよね。もっと、この3人の作る曲を聴きたかったところです。
by MCMLXV_65 (2011-01-12 12:36) 

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