Jeff Beck／『Live at BB King Blues Club』 [CD]
Jeff Beck がグループとしての活動に一区切りをつけて、ソロ名義でリリースした1975年のアルバム『Blow By Blow』から2003年の『Jeff』までの9枚のアルバムから満遍なく曲を集めたライブ盤が、この2003年に Official Bootleg として Jeff Beck の公式サイトでのみリリースされた『Live at BB King Blues Club』になる。Jeff Beck のライブ盤は1977年の『Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live』以来、実に四半世紀ぶりのことで、ニューヨークにある BB King Blues Club で行われたこのライブは、グラミー賞で Best Rock Instrumental Performance に輝いたアルバム『Guitar Shop』をレコーディングしたときのメンバー、キーボードに Tony Hymas、ドラムに Terry Bozzio を従えて行われた。
このライブが行われた時期は1999年リリースされた『Who Else!』から続く『You Had It Coming』『Jeff』という3部作が完結した頃で、ライブの約半分がこの3枚のアルバムからの曲で占められていた。
この頃の3枚のアルバムで聴ける Jeff Beck のスタイルはとても攻撃的な感じのする曲が多く、このニューヨークでのライブは過去にリリースされたアルバムからもその傾向に沿うような曲が多く選ばれていた。
このライブ盤は当初、Jeff Beck の公式サイトから通販のみでしか入手できない特殊なかたちで、日本でも大手の CD ショップで普通に買えないアルバムだった。後に Jeff Beck の来日公演に併せて通常の CD ケースに収納されて流通したが、当初の公式サイトで通販された CD は紙製ジャケットに剥き出しの CD がそのまま入っているというとても簡素な装丁だった。
そして Official Bootleg と銘打っているようにこのライブ盤に収録された曲は一切オーバーダブなどの編集がなく、曲によっては歪がある箇所もそのまま収録されていた。
その編集方針から「ミスが多い」という意見がこのライブ盤に一部あるが、ライブというものは1つとして同じ内容、プレイはあり得ないもの。ミスがあったとしてもライブが行われた一瞬の記録として何も不思議なことではないので、むしろそういうミスも含めてライブという臨場感が楽しめる一枚だった。
逆にライブ盤にミスを指摘するような方に、このような Official Bootleg はお勧めできない。しかし、ミスなくプレイされたライブ盤というものはあるのだろうか? オーバーダブなど編集を施したものは「ライブ盤」と呼べるだろうか?
と、固いことを考えずに『Guitar Shop』の頃のメンバーで2003年当時に Jeff Beck がプレイしたかった16曲をただ単純に楽しむことが、このライブ盤の正しい接し方だと思う。
今、amazon に注文している Jeff Beck のライブ盤が届く前に、この2003年のライブ盤を引っ張り出して聴いてみたが、近年の Jeff Beck のスタジオ・アルバムにはない尖った曲が多く、この頃の『Who Else!』から『Jeff』までの3枚のスタジオ・アルバムをもう一度最初から轟音で聴いてみたくなった。
Live at BB King Blues ClubRoy's Toy ◎
Psycho Sam ◇
Big Block △
Freeway Jam ▼
Brush With The Blues ◇
Scatterbrain ※
Goodbye Pork Pie Hat ★
Nadia ◎
Savoy △
Angel (Footsteps) ◇
Seasons ●
Where Were You △
You Never Know ◆
A Day In The Life
People Get Ready ☆
My Thing ●
※:『Blow By Blow』収録
★:『Wired』収録
▼:『Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live』収録
◆:『There and Back』収録
☆:『Flash』収録
△:『Guitar Shop』収録
◇:『Who Else!』収録
◎:『You Had It Coming』収録
●:『Jeff』収録
2011-01-23 19:36
nice!(3)
コメント(2)
トラックバック(0)▲ページトップ▲
携帯でもご覧頂けます!
まさに「孤高のギタリスト」という表現がぴったりのJeffですね。
でも、考えてみれば「Official Bootleg」って、その言葉に矛盾を感じてしまうのですが・・・・・まあ、いいか。(^_^;)
by seawind335 (2011-01-23 22:56)
なんの編集もしていないライブ盤だからBootlegと立場は同じなんでしょうけどクオリティは公式盤並。最近は本当のBootleg(ん、これもヘンかな?)もOfficial並の音質のモノがあるので、ライブ盤のOfficialとBootlegの境目って曖昧になりつつありますよね。久々に聴いたアルバムで、文中にも書きましたが、さっそく『Who Else!』から聴き始めています。＾＾
by MCMLXV_65 (2011-01-24 00:38)