Roxette／『Charm School』

スウェーデン出身の Per Gessle と Marie Fredriksson のふたりによる Roxette が2001年リリースの『Room Service』以来となる新しいスタジオ・アルバム『Charm School』を今年の2月にリリースした。

『Room Service』以降の Roxette はベスト盤やキャリア総括する4枚組の『ROXBOX 1986-2006』 をリリースする程度で、その活動はもはや終わったものと思われていた。Marie には脳腫瘍も見つかり、その手術は成功したが、元のような音楽活動に戻れるかも疑問だった。

ところが2010年の暮れに突如 Roxette の新しいアルバムの話題が流れ、そこには年明けにもリリースが予定されているという内容も含まれていた。

そうして届けられた新作の『Charm School』は全12曲で約40分とコンパクトなサイズのアルバムで、ほとんどの曲が3分台の長さで、あっという間に最後まで聴けてしまうアルバムだった。

約4年ぶりのシングル『She's Got Nothing On (But The Radio)』は Per と Marie のふたりがボーカルをとる曲で、かつての『Joyride』を思わせるようなポップな感じの曲になっていた。母国スウェーデンのチャートには登場しなかったが、オーストリアとハンガリーのチャートでは最高9位に、ドイツのチャートでは最高10位にランクされた。

アルバムとして『Charm School』はドイツとスイスのチャートで No.1 を記録し、スウェーデンとオーストリアのチャートでは最高2位まで上昇。母国スウェーデンのアルバム・チャートの連続 No.1 の記録こそ途絶えたが、その人気の健在ぶりを十分証明してみせる内容のアルバムだった。

『Charm School』では Marie の復活が何より歓迎すべきことだった。脳腫瘍の影響も心配だったが、1stシングルでの Per との息の合ったボーカル・ワークは以前と全く変わらなかったし、2曲目の『No One Makes It On Her Own』やアルバムの最後を締め括る『Sitting On Top Of The World』などのバラードで披露する Marie の声に病気の影響は少しも感じられなかった。

Roxette は久しぶりのツアーも今年2月末からスタートさせ、このツアーは7月末まで続く予定になっている。

『Charm School』には2枚組の Deluxe Edition もあり、ここには新作リリースに先駆けて2010年に行われた欧州ツアーから St. Petersburg、Stavanger、Halmstad の3箇所から選ばれた12曲のライブ音源が収められている。

この2枚目に収められた数々の1980～90年代の曲も懐かしい曲のヒット・パレードで、ここでも Roxette の復活がとても身近に感じられる。Roxete のライブは一度だけ『Crash! Boom! Bang!』リリース後の来日公演を見たが、この『Charm School』に収められた復帰後のライブを聴くと、また Per と Marie のふたりが駆けまわるステージを見たい思いになった。

Charm School
Way Out
No One Makes It On Her Own
She's Got Nothing On (But The Radio)
Speak To Me
I'm Glad You Called
Only When I Dream
Dream On
Big Black Cadillac
In My Own Way
After All
Happy On The Outside
Sitting On Top Of The World
【Deluxe Edition Bonus Disc】
Dressed For Success
Sleeping In My Car
Wish I Could Fly
7Twenty7
Perfect Day
Things Will Never Be The Same
How Do You Do!/Dangerous
Silver Blue
Joyride
Listen To Your Heart
The Look
Church Of Your Heart

タグ：Roxette 2011