Pink Floyd／『The Wall』

1979年にリリースされた2枚組のスタジオ・アルバム『The Wall』は当時リアルタイムにレコードを聴き、その内容に驚かされたアルバムだった。

このアルバムからは『Another Brick In The Wall (Part 2)』がシングル・カットされ、Pink Floyd の曲として初めてシングル・チャート の No.1 になり、全英/全米、フランス、ドイツ、スペインなど各国のチャートでトップにランクされた。

当時、この No.1 シングルはその歌詞から史上最も暗い雰囲気の No.1 シングルとも言われたが、全世界で400万枚以上のセールスも記録した。

シングル・ヒットもあったがアルバムとして『The Wall』は売上げを伸ばし、2枚組にも関わらずアメリカでは1980年に一番売れたアルバムになり、アメリカ国内で史上4番目に売れたアルバムにもなっている。(1位は Michael Jackson の『Thriller』、2位は Eagles の『Their Greatest Hits』、3位は Led Zeppelin の『IV』)

『The Wall』は Alan Parker が監督し、Bob Geldof が主演で同名の映画も作られ、この映画もアルバムに劣らず強烈な印象を残した。

このアルバムのリリースに合わせたツアーはその大掛かりなセットのため1stレグの北米ツアーと2ndレグの欧州ツアーを含めても31回しか行われず、北米ツアーはロサンゼルスとニューヨークの2箇所のみ。欧州ツアーもロンドンとドイツのドルトモンドの2箇所でしか行われなかった。

このツアーのロンドン公演は2000年に2枚組のライブ盤『Is There Anybody Out There?』としてリリースされた。

『The Wall』は Pink Floyd のアルバムというよりも Roger Waters のソロ・アルバムとしての色合いが濃く、ジャケットには4人のメンバーの名前がなく、クレジットには「Words and Music - Roger Waters. Produced by David Gilmour, Bob Ezrin, Roger Waters」と記されているだけだった。

ジャケットにはバンド名やタイトルも記述がなく、透明なステッカーにそれらが印刷されて、2枚組のダブル・ジャケットを封印したビニールの上から貼られていただけだった。

Roger Waters のコンセプトが大々的に使われた『The Wall』とあって、他のメンバーと袂を分かった後にも Roger Waters は『The Wall』の内容をライブで取り上げ、1990年7月にドイツのベルリンで行ったライブは『The Wall - Live in Berlin』としてリリースされ、2000年には『The Wall』からの曲も使ったライブ盤『In the Flesh』をリリースしている。

そして、つい先日も Roger Waters はロンドンの O2 アリーナで The Wall Tour を行い、12日のステージでは David Gilmour が『Comfortably Numb』でギターを弾き、Nick Mason が最後の曲『Outside The Wall』でパーカッションを叩いていたという。

Rick Wright が2008年9月に亡くなって以降、Pink Floyd のメンバーが顔を合わせたのは、2005年の夏に行われた Live 8 以来のことだった。

The Wall
In The Flesh?
The Thin Ice
Another Brick In The Wall (Part 1)
The Happiest Days Of Our Lives
Another Brick In The Wall (Part 2)
Mother
Goodbye Blue Sky
Empty Spaces
Young Lust
One Of My Turns
Don't Leave Me Now
Another Brick In The Wall (Part 3)
Goodbye Cruel World
Hey You
Is There Anybody Out There?
Nobody Home
Vera
Bring The Boys Back Home
Comfortably Numb
The Show Must Go On
In The Flesh
Run Like Hell
Waiting For The Worms
Stop
The Trial
Outside The Wall

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