TOTO／『Absolutely Live』

この TOTO 初のライブ盤はジャケットにお馴染みの剣のイラストもなく、バンドのロゴも全く TOTO らしくないことから、店頭で初めて見た時には TOTO のアルバムだと全く思わなかった。

どういう経緯でこのようなデザインになったのか分からないが、このジャケットを見る限り公式な TOTO のアルバムとは思えず、どこか質の悪いブートレグ(海賊盤)だと当時は思っていた。

『Absolutely Live』がリリースされたのは1993年10月。時期的に『Kingdom Of Desire』をリリースした後で、残念ながらこのライブ盤では Jeff Porcaro のドラムを聴くことはできず、Simon Phillips を後任に迎えての音源となっていた。

『Absolutely Live』に収められた曲の TOTO のメンバーはベースに Mike Porcaro、ギターとボーカルに Steve Lukather、キーボードとボーカルに David Paich の3人に Simon Phillips を加えた4人編成で、ここに Donna McDaniels、Jenny Douglas McRae、John James という3人のコーラスが絡んでいる。

初代ボーカルの Bobby Kimball がいないので初期4枚のアルバムからの曲、例えば『Rosanna』では John James が、『Hold The Line』や『Home Of The Brave』ではふたりの女性ボーカルがその代役を務めている。

『Kingdom Of Desire』までにベスト盤はリリースしていた TOTO だったが、公式なライブ盤は一枚もなかったので、この2枚組の『Absolutely Live』では初期の『Hydra』のような長尺の曲も聴けて、これはとても嬉しかった。

後期のライブ盤では初期の曲がメドレーに組み込まれてしまい短縮版になってしまったが、『Absolutely Live』では『Georgy Porgy』や『99』が長いバージョンで収録され、これらの曲では Luke のボーカルもたっぷりと聴けた。

アルバム『Fahrenheit』からインストルメンタルの『Don't Stop Me Now』を収録していることも『Absolutely Live』でしか聴けない点だった。

オリジナルのボーカルが誰もいないので Luke がボーカルをとる曲に偏りがちの『Absolutely Live』だったが、それでも2枚目に収められた曲はライブに合わせた長いバージョンになっていて、ファンとの掛け合いやメンバーのソロ・プレイもしっかり収められ、ライブの雰囲気が伝わるとてもよい内容だった。

この5月に予定されていた TOTO の来日に合わせ『Hydra』リリース後に行われた来日公演のライブ盤が一時リリースされると報じられたが、それがやはり幻に終わってしまった今、初期の懐かしい曲が短縮版ではなくたっぷりと聴ける『Absolutely Live』の存在はとてもありがたい。

幻のライブ盤が公式にリリースされるまで『Absolutely Live』はまだ手放せそうにない。

Absolutely Live
Hydra
Rosanna
Kingdom Of Desire
Georgy Porgy
99
I Won't Hold You Back
Don't Stop Me Now
Africa
Don't Chain My Heart
I'll Be Over You
Home Of The Brave
Hold The Line
With A Little Help From My Friends

タグ：ライブ盤 TOTO 1993

コメント 2

最近TOTOの1st～3rdまで買い揃えました。
延期になったことだし、9月に武道館行きたい気分です。
by ryo (2011-05-22 00:56) 

ryoさん、どうも～！初期のTOTOのアルバムをとうとう揃えたんですね!! 特に最初の2枚、ぜひryoさんの感想を聞いてみたいですネ。時間があったときにでも、ぜひぜひお願いします！(^^)
by MCMLXV_65 (2011-05-22 01:17)