Pearl Jam／『Riot Act』

Eddie Vedder のソロ・アルバム『Ukulele Songs』にある『Can't Keep』を聴いて、そのオリジナルが聴きたくなって、この Pearl Jam の『Riot Act』を久しぶりに引っ張り出してきた。

これは2002年にリリースされた通算7枚目のスタジオ・アルバムで、レーベルの Epic から最後にリリースされたアルバムだった。前作『Binaural』リリース後、Pearl Jam は北米/欧州で73回のライブを実施。その後、2001年に長い休みをとってから、この『Riot Act』の制作に入った。

『Riot Act』のリリースは2002年11月。翌2003年2月から再び大規模なツアーをスタートさせた Pearl Jam はオーストラリアと日本を回ってから北米ツアーを敢行。その時の日本公演から3月3日の武道館でのライブが公式に2枚組ライブ盤となってリリースされた。

この武道館公演で初めて Pearl Jam のライブを見たこともあって、『Riot Act』は他の Pearl Jam のアルバムより少しだけ思い入れのあるアルバムで、2003年のツアーの最初の地、オーストラリアでのアルバム・チャートは2ndアルバム『Vs.』以来続く No.1 をこの『Riot Act』でも記録した。(全米チャートでは最高5位止まり)

リード・シングルには『I Am Mine』が選ばれ、Billboard 誌の Modern Rock Tracks チャートでは最高6位を記録。この曲を最初に聴いたときは次の新しいスタジオ・アルバムは Pearl Jam にしてはややおとなしい雰囲気になるのか? とも思っていた。

そして、翌2003年のツアー開始とほぼ同時期に『Save You』が2ndシングルとしてカットされた。こちらは『I Am Mine』から一転、Eddie と共作に名前があった Mike McCready のギター・リフが終始かき鳴らされる Pearl Jam の激しい面が表に出された曲で『I Am Mine』より好きな『Save You』だったが、Billboard 誌の Modern Rock Tracks チャートでは最高29位止まりに終わった。

『Save You』が北米向けのシングルで、欧州やオーストラリア向けには『Love Boat Captain』が2ndシングルとしてカットされた。『Love Boat Captain』ではキーボードを弾く Boom Gaspar が Eddie と共にクレジットされていた。

曲の中で静と動が大きく入れ替わる『Love Boat Captain』はアルバム『Riot Act』の序盤のハイライトになる曲で、Boom Gaspar の弾くキーボードと Eddie の抑揚をつけたボーカルがライブでも映える曲になっていた。

このシングルになった3曲は公式リリースされた武道館のライブ盤でも前半にプレイされた。この武道館公演では『Riot Act』から他に『Can't Keep』『You Are』『Bu$hleaguer』の3曲もプレイされた。

『Riot Act』から Pearl Jam はそれまでの5人のメンバーに、キーボードを弾く Boom Gaspar が加わり6人体制になった。だが、この Boom Gaspar はツアーやアルバム制作時に呼ばれるメンバーで、Pearl Jam の正式メンバーにはなっていない。

最後になってしまったが、『Can't Keep』の Pearl Jam バージョンは Eddie のソロ・バージョンよりゆったりとした感じの曲で、どちらのバージョンも好きだが、歌詞の内容から考えると Eddie のバージョンが当初の方向性のようにも感じられる。

Riot Act
Can't Keep
Save You
Love Boat Captain
Cropduster
Ghost
I Am Mine
Thumbing My Way
You Are
Get Right
Green Disease
Help Help
Bu$hleaguer
1/2 Full
Arc
All Or None

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