Earth, Wind & Fire／『Head To The Sky』：洋楽 ga 好き！

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Earth, Wind & Fire／『Head To The Sky』 [CD] [編集]

Earth, Wind & Fire が1973年にリリースした通算4枚目のスタジオ・アルバムで、Columbia レーベルに移籍後2枚目のアルバム『Head To The Sky』もまた先日届いた Original Album Classics という5枚組に含まれていた。

『Head To The Sky』は初めて商業的にも成功した Earth, Wind & Fire のアルバムで、当時の全米チャートでは最高27位をマークし、Billboard 誌の Black Album チャートでは最高2位を記録。アメリカでのセールスは100万枚の大台にも達した。

LP 時代の『Head To The Sky』は『The World's A Masquerade』までの4曲がA面で、以降の2曲がB面に収められ、最後の『Zanzibar』は13分を超える大作だった。『Zanzibar』は Edu Lobo というブラジル出身のシンガーソングライターの曲で、Earth, Wind & Fire のブラジル音楽への傾倒がよく表れた曲でもあった。

『Head To The Sky』はイントロで雷鳴が轟く『Evil』からスタートする。この曲では Maurice White の奏でる Kalimba の音が全編にわたって登場し、前作『Last Days And Time』から加入した Phillip Bailey の名前がライターに Maurice と共に初めて記されていた。

『Evil』はアルバムからの1stシングルにも選ばれ、全米シングル総合チャートでは最高50位止まりだったが、Black Singles チャートでは最高25位を、Adult Contemporary チャートでは最高19位を記録した。

アルバム・タイトルを含む『Keep Your Head To The Sky』は『Evil』に続いてシングル・カットされ、こちらはシングル総合チャートで最高52位、Black Singles チャートで最高23位をマークした。この曲でも Phillip Bailey のハイトーンなボーカルが冴え、唯一の女性だった Jessica Cleaves の存在が薄れてしまうほどだった。

一転して3曲目の『Build Your Nest』はブラック・コンテンポラリーな曲で、LP 時代のA面最後を飾る『The World's A Masquerade』は前作『Last Days And Time』で『I'd Rather Have You』を書いた Skip Scarborough による曲で、このバラードでは Larry Dunn の弾くキーボードが存在感を放っていた。

サイドが変わって2曲しかないB面の最初に登場する『Clover』はその Larry Dunn が Maurice と共作した曲で、Phillip Bailey と同じく『Last Days And Time』から参加した Larry Dunn が初めてライターに記された曲だった。だがキーボードの音はそれほど目立たず、新加入の Al McKay のギター・ソロが中盤以降に大きくフューチャーされ、Philip Bailey の叩くコンガも特徴の曲だった。

そして『Head To The Sky』の最後、13分に及ぶ『Zanzibar』は豚(?)の鳴き声で始まるが、その SE に続いて Al McKay のギター、Larry Dunn のキーボード、Ralph Johnson のドラム、そしてボーカル・ワークやパーカッションが加わり、Edu Lobo の世界が徐々に広がっていく。

『Zanzibar』はブラック・ミュージックよりジャズの要素が濃い曲で、いろいろな楽器によるソロ・パートが入れ替わり登場し、ジャム・セッションのような展開を続けていく。この曲では Earth, Wind & Fire の特徴の1つである Kalimba の音がなく、ファンクの要素も薄い。

新加入メンバーのソロや、南米音楽のスタイルを散りばめた『Zanzibar』は、まだまだ続きそうな余韻を残しつつ、最後は『Keep Your Head To The Sky』のフレーズが引用されて終りとなる。

唯一の女性メンバー Jessica Cleaves は『Head To The Sky』を最後に Earth, Wind & Fire を去り、前作『Last Days And Time』や『Head To The Sky』で加わったメンバーが White 兄弟たちと Earth, Wind & Fire の中核になり、この当時のメンバーで1980年代の序盤まで次々とヒット曲を生み出していく。