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Earth, Wind & Fire/『Open Our Eyes』 [CD]

Open-Our-Eyes.jpgこの1974年にリリースされた通算5枚目のスタジオ・アルバムも先日届いた Original Album Classics の中にあった一枚で、Earth, Wind & Fire の初期のアルバムの中では最も聴きたかったアルバムだった。

前作『Head To The Sky』とこの『Open Our Eyes』の間でのメンバー・チェンジは唯一の女性でボーカルの Jessica Cleaves が抜けただけで、その他の8人のメンバーは維持。制作面では Maurice White と共に Charles Stepney がプロデューサーに加わり、アレンジも担当。『Fair But So Uncool』など3曲ではライターとしても Charles Stepney の名前があった。

『Head To The Sky』で初めて商業的な成功を収め、メンバーも固まった中で作られた『Open Our Eyes』は全米チャートでそれまでのアルバムを遥かに凌ぐ最高27位にランクされ、R&B チャートでは最高2位まで上昇。アルバムも100万枚のセールスを記録してプラティナ・ディスクに認定された。

『Open Our Eyes』の1曲目『Mighty Mighty』はアルバムのトップを飾るにふさわしい軽快な曲で、8人のメンバーの結束が感じられ、楽しい雰囲気が聞き手にも伝わってくる曲だった。シングル・カットされた『Mighty Mighty』は Billboard 誌のブラック・シングル・チャートで最高4位を記録し、この当時の Earth, Wind & Fire の最大のヒットを記録した曲になった。同誌のシングル総合チャートでも最高29位をマークし、ここでも過去最高の結果を残した。

2曲目の『Devotion』は Philip Bailey と Maurice White による共作で、この曲では1970年代後半の Earth, Wind & Fire のスタイルを彷彿させる洗練されたボーカル・ワークが聴きどころ。これ以前のアルバムから明らかに進歩したと感じる『Devotion』はシングル総合チャートで最高33位を、ブラック・シングル・チャートで最高23位をマークした。

『Fair But So Uncool』は Charles Stepney と外部ライターの共作で、続く『Feelin' Blue』もメンバー以外の外部ライターによる曲だが、前者はリズムを少し強調したブラック・コンテンポラリーな曲に、後者は『Devotion』にも通じるソウルフルなボーカルが映える曲になっていた。

LP 時代のA面最後は Earth, Wind & Fire のサウンドの特徴でもある Kalimba をタイトルにした Maurice と Verdine の White 兄弟による『Kalimba Story』で、Kalimba の音色も印象的だが、後のヒット曲に通じる Al McKay (もしくは Johnny Graham ?)による特徴あるギターのカッティングがあった。『Kalimba Story』もシングル・カットされてブラック・シングル・チャートで最高6位、シングル総合チャートで最高55位を記録した。

サイドが変わってB面のトップは Maurice 作の『Drum Song』で始まる。この曲はタイトルどおりにいろいろなドラムの音色が心地よく響く南米の香りが大いに感じられるインストルメンタルになっていて、Maurice の想いがいろいろなドラムの音色に詰まっているようだった。

Charles Stepney と White 兄弟による『Tee Nine Chee Bit』はラップを先取りしたような新しい試みで、『Drum Song』とは対照的にブラック・コンテンポラリーな曲に仕上がっていた。

続く『Spasmodic Movements』はジャズ・ミュージシャンの Eddie Harris による曲で、この2分にも満たない『Spasmodic Movements』のスタイルはジャズそのもの。あっという間に終わってしまうインストルメンタルは、さらに短い30秒ちょっとの『Rabbit Seed』へと続く。

『Caribou』は再び Charles Stepney と外部ライターによる曲。ここでは Earth, Wind & Fire のコーラス・ワークを前面に押し出し、南米(またはアフリカン?)なリズムに乗る『Caribou』はサンバで踊るときの曲のようだった。

このアルバムで Charles Stepney が参加した3曲はいずれも3分台にまとめられ、その中に新しい試みがいろいろ詰め込み、Earth, Wind & Fire の先々のスタイルを提示しているようでもあった。

アルバム最後の曲でタイトル曲の『Open Our Eyes』もまた外部ライターによる曲で、この曲は George Clinton 率いる Funkadelic が1969年にリリースした『I'll Bet You』のB面でリリースされた曲。Earth, Wind & Fire のバージョンはオリジナルよりスローなテンポで、アルバムの最後を締め括るにふさわしいバラードだった。

アルバム『Open Our Eyes』は CD として2001年にリマスター盤がリイシューされ、ここには4曲の未発表曲が収録されていた。Original Album Classics にある『Open Our Eyes』もこの4曲があるバージョンになっていた。

Open-Our-Eyes.jpgOpen Our Eyes
Mighty Mighty
Devotion
Fair But So Uncool
Feelin' Blue
Kalimba Story
Drum Song
Tee Nine Chee Bit
Spasmodic Movements
Caribou
Open Our Eyes
【Previously Unreleased Bonus Tracks】
Ain't No Harm To Moan (Slave Song)
Fair But So Uncool (Walkin' In N'Awlins Mix)
Step's Tune
Dreams


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