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Earth, Wind & Fire/『Faces』 [CD]

Faces.jpgEarth, Wind & Fire のアルバムで初めて買ったのは1979年リリースの『I AM』だったが、待望の新譜として初めて買ったのはこの LP で2枚組の『Faces』だった。これも先日届いた5枚のアルバムが収められている Original Album Classics に含まれていて、とても久しぶりに全15曲を通して聴いた。

1980年のリリース当時は2枚組の LP 4面に収められた曲を約20分おきに入れ替えて聴き、そのボリュームの大きさに圧倒され、このアルバムのいいところにほとんど気づかなかった。今回改めて全15曲、約65分を最後のタイトル曲『Faces』のインストルメンタルまで一気に聴いたが、ここにはこの頃の Earth, Wind & Fire を総括するような曲がたくさん詰まっていた。

最後のD面だけは8分に及ぶタイトル曲を含む3曲だけだが、他の3面は均等に4曲ずつが収められ、特に最初のA面にある『Let Me Talk』から『You』の4曲は Earth, Wind & Fire のいろいろな面がフューチャーされた文句のつけようがない4曲だった。

『Faces』からのリード・シングルには『Let Me Talk』が最初のシングルに選ばれたが、全米チャートでは最高44位止まり。Billboard 誌の Hot R&B/Hip-Hop Songs チャートでは最高8位まで上昇したが、アルバムからのリード・シングルとしては少し弱かった。

以降、シングルは『You』や『And Love Goes On』がカットされたが、シングル総合チャートでは大した結果を残せず、Hot R&B/Hip-Hop Songs チャートで『You』が最高10位、『And Love Goes On』が最高15位という結果だった。

全15曲もありながらアルバムを代表するこれといった曲が見当たらないことや、『I AM』までジャケット・デザインに起用された長岡秀星を使わず、メンバーや多くのファン(?)のバスト・アップが並べられたジャケットも、この『Faces』というアルバムの印象を薄くしていた。

だが、この『Faces』にある15曲は1970年代中盤のソウル/ファンクの要素は少ないものの、1980年代中盤からのキーボードを中心にしたサウンドになる手前の Earth, Wind & Fire の総決算でもあって、1つ1つの楽曲のクォリティは決して悪くなかった。(ことを改めて今回通して聴いてわかった…)

Earth, Wind & Fire という大所帯のバンドが生み出す独特のリズムと特徴あるホーン・セクションはこの『Faces』というアルバムで頂点だったのかもしれない。この『Faces』を最後にしてギターの Al McKay が抜けてしまうのも、以降のスタイルに変化があった原因になったのだろう。

『Faces』にある曲は Maurice White を中心に Philip Bailey や キーボードの Larry Dunn、前述の Al McKay、そして Freddie や Verdine の White 兄弟が多くの曲に関わっていたが、外部ライターの力も積極的に使っていた。

シングルになった『You』『And Love Goes On』と『Song In My Heart』の3曲ではこの頃に自らの名前を冠したアルバムでデビューした女性シンガーソングライターの Brenda Russell がライターに記されていた。この Brenda Russell というアーティストの名前は、当時女優で歌も披露していた Cheryl Ladd のシングル『Think It Over』にもあって、とてもポップな曲を書く人だと思っていた。

Brenda の手掛けた『You』『And Love Goes On』では前作『I AM』にも参加した David Foster も関わっていた。

また Earth, Wind & Fire の1978年のヒット曲『Fantasy』で Maurice や Verdine と共にライターにあった Eduardo Del Barrio は『Sparkle』と『Sailaway』の2曲に参加し、『Fantasy』にも通じるソフトな曲を Philip Bailey のファルセットを使って作り上げていた。

LP でいうB面のトップにある『Sparkle』からの4曲も、その前の4曲に劣らない内容で、2曲目の『Back On The Road』とB面最後の『You Went Away』では TOTO の Steve Lukather がギター・ソロを担当していた。

4曲ごとにメリハリをつけた『Faces』の最後はそのタイトル曲で8分を超す『Faces』で締め括られる。この曲のイントロが日本の盆踊りを意識したような始まりだったことも、今回 Original Album Classics の中の一枚として聴くことで改めて気がついた。

この『Faces』という曲はインストルメンタルだが、まさに1980年代当時の Earth, Wind & Fire のグルーブが全開で、リーダーである Maurice の自信がみなぎっていた曲だった。

『Faces』というアルバムは2010年にリイシューを多く手がけるイギリスの Cherry Red Records からリマスター盤がリリースされている。このリマスター盤では『Let Me Talk』のロング・バージョンや『And Love Goes On』のシングル・バージョンも収録されている。このバージョン違いはあくまでもボーナスだが、8分余りの『Faces』までを最初から一気に聴くと、やはり世間で言うほど悪いアルバムでないことに気がつくだろう。

Faces.jpgFaces
Let Me Talk
Turn It Into Something Good
Pride
You
Sparkle
Back On The Road
Song In My Heart
You Went Away
And Love Goes On
Sailaway
Take It To The Sky
Win Or Lose
Share Your Love
In Time
Faces


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