The Rolling Stones／『Hot Rocks 1964-1971』

きのう紹介した『More Hot Rocks (Big Hits & Fazed Cookies)』の前にブログで取り上げようと思っていたのが、この『Hot Rocks 1964-1971』(以下『Hot Rocks』と略)という ABKCO Records から1960年代の DECCA レーベル時代に残した音源を約90分にわたって全部で21曲収めたベスト盤だった。

LP としてリリースされた『Hot Rocks』は2枚組だったが、1980年代に CD としてリイシューされた『Hot Rocks』は1枚ずつ別々にしてリリースされたが、現在手元にあるのは2002年に CD と SACD のハイブリッド盤でオリジナル通りに2枚組でリイシューされたモノだ。

年代別に並べられた曲は1枚目が Andrew Loog Oldham プロデュースの曲。そして2枚目は『Midnight Rambler』のライブ・バージョンを除いて、Jimmy Miller がプロデュースした曲になっていて、それぞれのディスクでガラリと雰囲気が変化している点が面白い。

全米アルバム・チャートで最高4位を記録し、600万枚以上のセールスを記録した『Hot Rocks』には全米チャートで初の No.1 シングル『(I Can't Get No) Satisfaction』を筆頭に『Get Off Of My Cloud』『Paint It, Black』『Ruby Tuesday』『Honky Tonk Woman』『Brown Sugar』という全ての No.1 シングルが入っている。

他にも全米初の Top10 シングルで最高6位をマークした『Time Is On My Side』、最高19位を記録した『Heart Of Stone』、最高2位の『19th Nervous Breakdown』が1枚目のディスクに収録された。

2枚目の9曲では全米チャートで No.1 になった曲を除くと『Jumpin' Jack Flash』が最高3位を記録した以外に全米チャートを賑わした曲が見当たらない。『Wild Horses』は最高28位を記録したが、『Street Fighting Man』は最高48位止まりだった。

しかし、2枚目にある9曲は1960年代後半の混沌とした中で作られた曲ばかりで、今もなおライブで必ずプレイされる定番の曲が多い。1970年リリースのライブ盤『Get Yer Ya-Yas Out!』から『Midnight Rambler』を取り上げた選曲のセンスも光っていた。

1967年リリースのアルバム『Their Satanic Majesties Request』からの曲や、全米シングル・チャートで最高14位を記録した『Dandelion』がこの『Hot Rocks』には1曲も収録されていないが、サイケデリックな曲を全て外したことはアルバムのタイトルから考えても正解だっただろう。

The Rolling Stones のベスト盤は他にも多くリリースされているが、『Hot Rocks』は1960年代のヒット曲やライブでよくプレイされる曲を約90分で振り返ることができて、選曲面でも収録時間の長さでもなかなかよくできたベスト盤だと思う。

Hot Rocks 1964-1971
【Disc 1】
Time Is On My Side
Heart Of Stone
Play With Fire
(I Can't Get No) Satisfaction
As Tears Go By
Get Off Of My Cloud
Mother's Little Helper
19th Nervous Breakdown
Paint It, Black
Under My Thumb
Ruby Tuesday
Let's Spend The Night Together
【Disc 2】
Jumpin' Jack Flash
Street Fighting Man
Sympathy For The Devil
Honky Tonk Woman
Gimme Shelter
Midnight Rambler (Live)
You Can't Always Get What You Want
Brown Sugar
Wild Horses

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