Marty Paich/『The Broadway Bit』 [CD]
以前紹介した通称『お風呂』と呼ばれるアルバムとペアでよく取り上げられる『踊り子』がジャケットの『The Broadway Bit』も Marty Paich が1959年にレコーディングしたアルバムで、TOTO の David Paich が Marty の息子であることは有名な話だ。
『お風呂』と『踊り子』のアルバムはペアでよく紹介されることがあって、ジャケットの話題もさることながらその内容もいつか聴きたいと思っていたが、ようやく2008年に紙ジャケット仕様でリイシューされ、手に入れることができた。
『お風呂』を紹介した際にも記したが、この『踊り子』のアルバムも24bitデジタル・リマスタリングが施され SHM-CD というフォーマットでリリースされた。ロック系の紙ジャケット仕様に比べると少々高かったが、リイシューされる度に即売り切れてしまう人気のアルバムなので、迷わず購入した。
『お風呂』のジャケットでもちょっとした仕掛けがあったが、この『踊り子』でも奥にいるダンサーが『Down Beat』というアメリカのジャズ誌を読んでいるという洒落た仕掛けがあった。
ジャズについてあまり詳しくないので、もっと造形の深い方にそれぞれの曲の解説は譲るとして、この通称『踊り子』、正式なタイトル『The Broadway Bit』にある9曲は Broadway のミュージカルで知られた曲が取り上げられていた。
アルバムのトップを飾る『It's All Right With Me』は1953年のミュージカル『Can-Can』からの曲で、Cole Porter によって書かれ、Frank Sinatra が映画版の『Can-Can』でも歌っていた。
2曲目の『I've Grown Accustomed To Her Face』は1956年のミュージカル『My Fair Lady』からの曲で、Dean Martin や Rod Stewart、Art Garfunkel、Barbra Streisand ら多くのアーティストにカバーされた。
3曲目の『I've Never Been In Love Before』は1950年のミュージカル『Guys and Dolls』で使われたスタンダードな曲で、Linda Ronstadt や Barbra Streisand もカバーをしている。
4曲目の『I Love Paris』も『It's All Right With Me』と同じミュージカル『Can-Can』からの曲で、ミュージカルに馴染みの薄い日本でもこの曲は耳にしたことのある方は多いのではないだろうか。この曲は意外なカバーがあり、2009年に Vanessa Paradis がリリースしたベスト盤『Best of Vanessa Paradis』に収録されている。
オリジナルの LP でB面のトップだった『Too Close For Comfort』は1956年のミュージカル『Mr. Wonderful』からの曲で、Frank Sinatra と Sammy Davis, Jr. のデュエットでも知られる。
『Younger Than Springtime』と『The Surry With The Fringe On Top』のメドレーは前者が1949年のミュージカル『South Pacific』から、後者が1943年のミュージカル『Oklahoma!』からの曲で、ともにジャズのスタンダードとして有名な曲。
『If I Were A Bell』は3曲目の『I've Never Been In Love Before』と同じく1950年のミュージカル『Guys and Dolls』からの曲で、劇中で歌われたこの曲は Miles Davis の1956年のアルバム『Relaxin' with the Miles Davis Quintet』にも収録されている。
『Lazy Afternoon』は1954年のミュージカル『The Golden Apple』からの曲で、オフ・ブロードウェイからブロードウェイへと昇格した初期のミュージカルの1つということらしい。
そしてアルバムの最後にある『Just In Time』は1956年のミュージカル『Bells Are Ringing』で使われた曲で、Tony Bennett がその年に歌った曲も知られるが、2006年には Michael Bublé と Tony Bennett のデュエットしたバージョンも発表された。
と、全ての曲が1940年代や1950年代のブロードウェイ・ミュージカルでお馴染みの曲ばかりで、それを西海岸をベースに活動していた Marty Paich が Art Pepper のアルト・サックスをほぼ全編に起用して『The Broadway Bit』は作られている。Marty Paich のアレンジが冴えた『The Broadway Bit』はオリジナルのミュージカルをあまり知らないファンにも楽しめるアルバムだと思う。
The Broadway Bit
It's All Right With Me
I've Grown Accustomed To Her Face
I've Never Been In Love Before
I Love Paris
Too Close For Comfort
Younger Than Springtime/The Surrey With The Fringe On Top
If I Were A Bell
Lazy Afternoon
Just In Time
『お風呂』と『踊り子』のアルバムはペアでよく紹介されることがあって、ジャケットの話題もさることながらその内容もいつか聴きたいと思っていたが、ようやく2008年に紙ジャケット仕様でリイシューされ、手に入れることができた。
『お風呂』を紹介した際にも記したが、この『踊り子』のアルバムも24bitデジタル・リマスタリングが施され SHM-CD というフォーマットでリリースされた。ロック系の紙ジャケット仕様に比べると少々高かったが、リイシューされる度に即売り切れてしまう人気のアルバムなので、迷わず購入した。
『お風呂』のジャケットでもちょっとした仕掛けがあったが、この『踊り子』でも奥にいるダンサーが『Down Beat』というアメリカのジャズ誌を読んでいるという洒落た仕掛けがあった。
ジャズについてあまり詳しくないので、もっと造形の深い方にそれぞれの曲の解説は譲るとして、この通称『踊り子』、正式なタイトル『The Broadway Bit』にある9曲は Broadway のミュージカルで知られた曲が取り上げられていた。
アルバムのトップを飾る『It's All Right With Me』は1953年のミュージカル『Can-Can』からの曲で、Cole Porter によって書かれ、Frank Sinatra が映画版の『Can-Can』でも歌っていた。
2曲目の『I've Grown Accustomed To Her Face』は1956年のミュージカル『My Fair Lady』からの曲で、Dean Martin や Rod Stewart、Art Garfunkel、Barbra Streisand ら多くのアーティストにカバーされた。
3曲目の『I've Never Been In Love Before』は1950年のミュージカル『Guys and Dolls』で使われたスタンダードな曲で、Linda Ronstadt や Barbra Streisand もカバーをしている。
4曲目の『I Love Paris』も『It's All Right With Me』と同じミュージカル『Can-Can』からの曲で、ミュージカルに馴染みの薄い日本でもこの曲は耳にしたことのある方は多いのではないだろうか。この曲は意外なカバーがあり、2009年に Vanessa Paradis がリリースしたベスト盤『Best of Vanessa Paradis』に収録されている。
オリジナルの LP でB面のトップだった『Too Close For Comfort』は1956年のミュージカル『Mr. Wonderful』からの曲で、Frank Sinatra と Sammy Davis, Jr. のデュエットでも知られる。
『Younger Than Springtime』と『The Surry With The Fringe On Top』のメドレーは前者が1949年のミュージカル『South Pacific』から、後者が1943年のミュージカル『Oklahoma!』からの曲で、ともにジャズのスタンダードとして有名な曲。
『If I Were A Bell』は3曲目の『I've Never Been In Love Before』と同じく1950年のミュージカル『Guys and Dolls』からの曲で、劇中で歌われたこの曲は Miles Davis の1956年のアルバム『Relaxin' with the Miles Davis Quintet』にも収録されている。
『Lazy Afternoon』は1954年のミュージカル『The Golden Apple』からの曲で、オフ・ブロードウェイからブロードウェイへと昇格した初期のミュージカルの1つということらしい。
そしてアルバムの最後にある『Just In Time』は1956年のミュージカル『Bells Are Ringing』で使われた曲で、Tony Bennett がその年に歌った曲も知られるが、2006年には Michael Bublé と Tony Bennett のデュエットしたバージョンも発表された。
と、全ての曲が1940年代や1950年代のブロードウェイ・ミュージカルでお馴染みの曲ばかりで、それを西海岸をベースに活動していた Marty Paich が Art Pepper のアルト・サックスをほぼ全編に起用して『The Broadway Bit』は作られている。Marty Paich のアレンジが冴えた『The Broadway Bit』はオリジナルのミュージカルをあまり知らないファンにも楽しめるアルバムだと思う。
The Broadway Bit
It's All Right With Me
I've Grown Accustomed To Her Face
I've Never Been In Love Before
I Love Paris
Too Close For Comfort
Younger Than Springtime/The Surrey With The Fringe On Top
If I Were A Bell
Lazy Afternoon
Just In Time
タグ:Marty Paich 1959
2011-08-22 14:00
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