Oasis／『D'You Know What I Mean?』

Oasis の1997年の通算3枚目のアルバム『Be Here Now』からの1stシングルに選ばれた『D'You Know What I Mean?』は当時賛否両論だった記憶がある。シングルなのに7分を超える曲をリリースしたことは、よっぽど自信がなければできないこと。もしくは、その逆…なんだろうが、先の2枚のアルバムでビッグ・セールスを記録した Oasis だからこそできた快挙(暴挙?)かもしれない。

この『D'You Know What I Mean?』も CD や7インチのシングルなどでリリースされ、デジパックに入った CD を手に入れた。そこには4曲が入っていて、タイトル曲は『Be Here Now』にあるバージョンより20秒ちょっと短かった。

デジパック盤に収録された3曲はいずれもアルバム未収録曲で『Stay Young』はB面にするにはもったいない曲で、後に『The Masterplan』にも取り上げられた。デモ・テイクの『Angel Child』では Noel Gallagher がボーカルを担当。ちなみにここまでの3曲は全て Noel が書いた曲で、タイトル曲と『Stay Young』は弟の Liam Gallagher がボーカルだった。

そして最後の曲は『Angel Child』のフェードアウトと被るように始まる David Bowie の1977年のシングル『Heroes』で、これがまた Oasis 流の素晴らしいカバーに仕上がっていた。Oasis のシングルにはアルバム未収録で秀逸なカバーが多く、この『Heroes』も屈指の出来に数えられるだろう。

『D'You Know What I Mean?』に戻ると、この曲の中で Noel はそれまでの活動を通してイギリスの音楽シーンでトップの存在に立った心境をいろいろな言葉で綴っていた。そこでは自分たちについてきてくれてもいいし、そうでなくてもいいともあって、大きくなり過ぎてしまった存在に悩んでいるようにも受け取れた。

そんな想いがタイトルのコーラスに繋がり、「俺の言いたいこと、わかっているかい?」と何度も繰り返され、この曲を聴いている Oasis のファンや、そうでない人々に問いかけているように聴こえた。

曲の序盤の歌詞には「Fool on the hill」とあり、こんなところに The Beatles の影響をちらりと入れてしまうところに思わずニヤッとしてしまった。

『D'You Know What I Mean?』の PV は設定が戦火の跡地なのだろうか。そこに無数の英国陸軍ヘリコプターが飛び交い、その下で Oasis のメンバーがこの曲をプレイしている。PV も7分を超える大作で途中に Noel のギター・ソロもしっかり収められている。

Liam はお気に入りのロングのパーカを着て、ポケットに手を突っ込んで歌う姿勢。目まぐるしく周囲を飛ぶヘリコプターと対照的に Oasis のメンバーは淡々と曲をプレイし、最後のシーンではその中の1つのヘリコプターにメンバーが乗って去っていく。Liam が不敵なVサインをする手前で Noel の無表情がまた対照的で面白い。

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