Billy Joel／『12 Gardens Live』

Billy Joel はこれまでにライブ盤を5枚リリースしている。そのどれもが記念碑的な意味合いがあって、個人的には甲乙がつけ難いと思っていて、この2006年にリリースした4枚目のライブ盤『12 Gardens Live』は Billy の地元ニューヨーク、Madison Square Garden でのライブを収録したアルバムで、当時この MSG での12夜のライブは全てソールドアウトになった。

このライブ盤をリリースした2006年に Billy は久々の来日公演も行なった。幸運にも東京ドームでのチケットが手に入り、久々にアリーナ席からこのライブ盤でも十分楽しめた Billy の曲を楽しむことができた。そんなこともあって、この『12 Gardens Live』はより思い入れの深いアルバムでもある。

2枚組の CD 版『12 Gardens Live』には全部で32曲が収められ、それぞれのディスクの最後には『A Room Of Our Own』と『It's Still Rock And Roll To Me』の2曲が隠しトラックとして収められていた。この2曲、特に『It's Still Rock And Roll To Me』はライブ本編のアンコール『And So It Goes』の後に続くかたちで収められていたので、できればライブで登場した箇所に追加して欲しかった。

また iTunes 版『12 Gardens Live』には『Stiletto』と『Honesty』の2曲が追加されていたという情報もある。さらに Sony Music Direct 経由で購入するとダウンロード音源として『You're My Home』と『Sleeping With The Television On』が用意されていたらしい。

このライブ盤で聴ける曲は Billy のオールタイム・ベストとも言える内容で、地元でプレイされた『New York State Of Mind』でのファンの歓声は他の地で聴くモノと全く別に聴こえた。

2枚目のディスクの中盤辺りまで Billy はピアノを弾きながらのステージだが、終盤に向けてはステージ中央のマイク・スタンドを前にギターを弾いたりのパフォーマンスが多くなる。そしてアンコールでは再びピアノの前に座って、ストーリーテラーとしての Billy が楽しめる。

このライブ盤では大物ゲストの登場はなく、往年のキーから下げて歌った Billy にガッカリしたという意見も多い。加えて長年連れ添ったドラムの Liberty DeVitto の不在を嘆く声もある。

だが、個人的には久々に楽しめた東京ドームの来日公演の思いもあり、まだポップスのフィールドで元気な Billy が聴けたことに満足で、いろいろなマイナス面はそれほど気にならなかった。そういう事情を抜きにして楽しめてしまうのが Billy のスタイル、Billy のライブなのだと思う。

12 Gardens Live
【Disc 1】
Angry Young Man
My Life
Everybody Loves You Now
The Ballad Of Billy The Kid
The Entertainer
Vienna
New York State Of Mind
The Night Is Still Young
Zanzibar
Miami 2017 (I've Seen The Lights Go Out On Broadway)
The Great Wall Of China
Allentown
She's Right On Time
Don't Ask Me Why
Laura
A Room Of Our Own (hidden track)
【Disc 2】
Good Night Saigon
Movin' Out (Anthony's Song)
An Innocent Man
The Downeaster "Alexa"
She's Always A Woman
Keeping The Faith
The River Of Dreams
A Matter Of Trust
We Didn't Start The Fire
Big Shot
You May Be Right
Only The Good Die Young
Scenes From An Italian Restaurant
Piano Man
And So It Goes
It's Still Rock And Roll To Me (hidden track)

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