Van Halen／『Live: Right Here, Right Now』

Van Halen が公式に残したライブ盤は意外にも Sammy Hagar をボーカルに迎えた頃の1993年にリリースされた『Live: Right Here, Right Now』の2枚組だけで、ここには全部で24曲、約2時間20分近いステージが記録されている。

1991年リリースの通算9枚目のスタジオ・アルバム『For Unlawful Carnal Knowledge』に伴うツアー後のライブ盤とあって、同アルバムからは全11曲中10曲がこの2枚組には収められている。

Sammy Hagar 期の Van Halen を総括するベスト盤のようなこのライブ盤には David Lee Roth 期の曲は『Ain't Talkin' 'Bout Love』『Panama』『You Really Got Me』『Jump』の4曲のみ。初期 Van Halen を懐かしむファンにとってはその頃のライブ盤も欲しいところだろう。

このライブ盤は曲間の MC がほとんどなく、次から次へと Sammy Hagar 時代の曲がプレイされる。Van Halen の地元カリフォルニアで行われたステージを収録したとあって、ファンの歓声もひっきりなしに聞こえ、ライブの臨場感にとても溢れている。

『You Really Got Me』の後、『Cabo Wabo』を挟んで The Who の1971年のヒット曲『Won't Get Fooled Again』も続けてこのライブ盤には収められている。

当時のツアーでは各メンバーのソロもライブ中盤に披露されたが、この2枚組でも約5分にわたる Michael Anthony のベース・ソロが他のメンバーに先駆けて披露され、『Pleasure Dome』の流れからは Alex Van Halen のドラム・ソロが続けてプレイされる。

Sammy Hagar のソロの曲も『One Way To Rock』『Give To Live』の2曲がプレイされ、Eddie Van Halen のギター・ソロは新作『For Unlawful Carnal Knowledge』からの『316』として10分を超えるソロを聴くことができる。

『For Unlawful Carnal Knowledge』からの曲が中心で、かつ、メンバーのソロを全て収録しても、このライブ盤の評価が下がることはなかった。潔く David Lee Roth 期の曲を代表曲程度に留めて、『For Unlawful Carnal Knowledge』からの曲に Sammy Hagar 期のヒット・シングルを加えたことでライブの統一感は十分にあった。

そうなると、やはり David Lee Roth をボーカルにした初期の曲を中心としたライブも、ぜひ公式なライブ盤として聴きたくなるのだが、今の Van Halen はその David Lee Roth を再びボーカルに迎え、ベースは Eddie Van Halen の息子 Wolfgang Van Halen が担当しているという。

この今の Van Halen でのライブも(好奇心から…)見てみたいと思うが、Michael Anthony のハイトーンなコーラス・ワークが映えるやはり初期の4人によるライブが今の最新技術で蘇って欲しいとも願う。

Live: Right Here, Right Now
【Disc 1】
Poundcake
Judgement Day
When It's Love
Spanked
Ain't Talkin' 'Bout Love
In 'N' Out
Dreams
Man On A Mission
Ultra Bass
Pleasure Dome / Drum Solo
Panama
Love Walks In
Runaround
【Disc 2】
Right Now
One Way To Rock
Why Can't This Be Love
Give To Live
Finish What Ya Started
Best Of Both Worlds
316
You Really Got Me / Cabo Wabo
Won't Get Fooled Again
Jump
Top Of The World

タグ：van halen 1993 ライブ盤