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Elvis Costello/『All This Useless Beauty』 [CD]

All-This-Useless-Beauty.jpgThe Attractions との名義でリリースしたスタジオ・アルバムは1986年の『Blood & Chocolate』以来。そして1989年の『Spike』以来続いてきたレーベル Warner Bros. から最後のリリースとなったスタジオ・アルバムが、この1996年リリースの『All This Useless Beauty』だった。

このアルバムを知ったのは当時長期海外出張中だったフランスのパリで、久しぶりに英語圏の知っているアーティストの新作ということで即、シャンゼリゼ通りにあるヴァージン・メガストアで手に入れた。

リリース当時はアルバムに関する情報がほとんどない状況で、Elvis Costello の新作ということだけで手に入れた『All This Useless Beauty』だったが、当時滞在していたパリで何を喋っているかわからないフランス語に疲れていたこともあって、Costello の歌う英語の歌詞がいつも以上に染み入った記憶がある。

その後、『All This Useless Beauty』というアルバムは Costello が他のアーティストに提供した曲をセルフ・カバーしたアルバムだと知ったが、この情報は実は誤りで、他のアーティストに提供したのは全12曲中わずか4曲だけだった。

アルバムのトップを飾る『The Other End Of The Telescope』は 'Til Tuesday の Aimee Mann との共作で1988年のスタジオ・アルバム『Everything's Different Now』に収録され、このときの表記は『The Other End (Of The Telescope)』だった。

2曲目は The Byrds の Roger McGuinn が1991年にリリースしたスタジオ・アルバム『Back From Rio』に収められた『You Bowed Down』。そしてイギリスのフォーク・シンガー June Tabor には2曲が提供され、1992年のスタジオ・アルバム『Angel Tiger』には『All This Useless Beauty』が、1994年のスタジオ・アルバム『Against The Streams』には『I Want To Vanish』が収録と、合計4曲が他のアーティストによって既に発表された曲だった。

このアルバムでの曲のクレジットは Elvis Costello と共に本名の Declan MacManus が使われ、そして Costello 以外のライターは『The Other End Of The Telescope』で Aimee Mann の名前が、1980年代後半に『Flowers In The Dirt』で復活を遂げた Paul McCartney の名前が『Shallow Grave』にあった。

The Attractions との名義だった『All This Useless Beauty』だが、Costello の初期のアルバムにあるような激しい展開の曲はなく、ソフトでかつ、Costello のボーカルが映える曲が多かった。それがリリース当時、言葉がなかなか通じない海外に長い間いて疲れた心身にとても心地よかった。

『All This Useless Beauty』は Warner Bros. との最後のアルバムでリリース当時は積極的なプロモーションも行われなかったようで、その上、セルフ・カバー・アルバムだという間違った情報もあったため、あまり注目されない Costello のアルバムの1つだが、手にした当時の状況もあり、個人的には Costello のアルバムでは思い入れの深い一枚だ。

All-This-Useless-Beauty.jpgAll This Useless Beauty All This Useless Beauty - Elvis Costello & The Attractions
The Other End Of The Telescope
Little Atoms
All This Useless Beauty
Complicated Shadows
Why Can't A Man Stand Alone?
Distorted Angel
Shallow Grave
Poor Fractured Atlas
Starting To Come To Me
You Bowed Down
It's Time
I Want To Vanish


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コメント 2

col

はじめまして

このアルバムは聴く前の期待と違っていたせいか”地味だなあ”という印象が強かったのですが、友人の絶賛を聞いて聴き直してみたところ印象がガラリと変わりました
じっくり味わえるアルバムですね

私も海外で手に入れたアルバムは比較的どれもよく憶えています 不思議ですね
by col (2011-10-08 18:10) 

MCMLXV_65

colさん、はじめまして!このアルバム、私は前評判を聞かずにCostelloの新作という程度の情報しか持たずに聴いたのですが、Costelloのボーカルがそれまでのスタイルとだいぶ違って聴こえ、当時の心境に妙に染み入りましたね。

日本に戻れば安く買えるのに敢えて海外で手に入れたアルバムの中には新発見もあって、今もいい思い出です。
by MCMLXV_65 (2011-10-08 19:08) 

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