TOTO／『Falling In Between Live』

2006年にリリースしたスタジオ・アルバム『Falling In Between』に伴うツアーからフランスのパリ公演を収録したライブ盤『Falling In Between Live』は同じタイトルで映像版も合わせてリリースされ、TOTO のライブ盤としては2003年の結成25周年記念の『Live In Amsterdam』以来となる通算4枚目のライブ盤だった。

2枚組で全23曲。メンバーのソロ・パートを1曲とカウントするのには気が引けるが、このライブ盤の収録時間は約2時間にも及んだ。この時点の最新作『Falling In Between』から初期の曲まで幅広い選曲がされ、TOTO の集大成とも言えるライブ盤になっていた。

ボーカリストは Bobby Kimball がこの頃のツアーに参加していたが、その Bobby がいない頃の『Isolation』や『Pamela』というボーカリストに迷走していた時期の曲も選ばれているのが、また嬉しい点だった。

Bobby という専任ボーカリストを擁していたが、Steve Lukather がメインでボーカルを取った頃のアルバムからも曲が選ばれ、また Luke のボーカルでヒットした曲もこのライブ盤には含まれていたので、これまでにリリースしてきた3枚のライブ盤より選曲面ではなかなか充実したライブ盤でもあった。

しかし、このときのツアー・メンバーで TOTO 結成以来のオリジナルと呼べるメンバーは Bobby と Luke のふたりしかいなく、ベースは Mike Porcaro に代わってセッション・ミュージシャンの Leland Sklar を起用、キーボードも David Paich ではなく Greg Phillinganes が担当していた。(Greg は TOTO の正式メンバーに迎えられもしたが…)

闘病中の Mike が参加できなかったのは残念だったが、TOTO の音楽面で大きく貢献してきた David までもがツアーに参加しなかったのは、結成以来のファンにとってはショックな出来事だった。

Jeff Porcaro の他界後、ドラムは Simon Phillips がここまで務めてきて、ようやく TOTO の一員と見えるようになってきただけに、Mike と David のふたりがいないライブは選曲の面で納得しても、TOTO のライブと本当に呼んでいいのか、正直疑問でもあった。

Luke や Simon のソロ・パートはお馴染みといった感があったが、David の代役と(どうしても)思ってしまった Greg のソロ・パートに今ひとつ感慨が沸かなかったのも、そういう理由があってのことだった。

ライブ終盤『Africa』がプレイされるが、ここでのボーカルはやはり David しか考えられず、そんなことからも「TOTO はもう終わりかもしれない」と思ったのも事実だった。そんな予想どおり、この後 TOTO は正式に活動を終えることになった。

ここ最近は Mike の闘病支援目的でツアーを行い、先日の来日公演も盛況だったようだ。その来日公演では David が復帰し、Porcaro 兄弟で初期のメンバーだった Steve も参加。そして TOTO のボーカルでは最も人気のある Joseph Williams がこのツアーには同行していた。

その好評だった最近のリユニオン・ツアーも公式にライブ盤としてリリースして欲しいと思っているのだが、これは実現しないだろうか。

Falling In Between Live
【CD1】
Falling In Between
King Of The World
Pamela
Bottom Of Your Soul
Caught In The Balance
Don't Chain My Heart
Hold The Line
Stop Loving You
I'll Be Over You
Cruel
Greg Solo
【CD2】
Rosanna
I'll Supply The Love
Isolation
Gift Of Faith
Kingdom Of Desire
Luke Solo
Hydra
Simon Solo
Taint Your World
Gypsy Train
Africa
Drag Him To The Roof

タグ：ライブ盤 TOTO 2007