David Bowie／『The Singles 1969-1993』

David Bowie のベスト盤はとても多く、手元にもいろいろなベスト盤があるが、何かしらのコンセプトのもとで企画編集されたベスト盤なので、毎回その内容に釣られてよく手を出してしまう。そんな中でも、この1993年にリリースされたサブ・タイトルに Featuring His Greatest Hits とある2枚組全39曲を収めた『The Singles 1969-1993』は今もなお貴重なベスト盤だ。

この頃、Bowie の RCA 時代に残したスタジオ・アルバムが一斉に Rykodisc からリイシューされる Sound + Vision という企画が始まり、その一環としてこの『The Singles 1969-1993』というベスト盤が新たにリリースされた。

『The Singles 1969-1993』は北米仕様のベスト盤で、イギリスでは同じ2枚組ながら『The Singles Collection』というタイトルでリリースされた。

イギリス盤は全37曲とアメリカ盤より2曲少なかったが、アメリカ盤になかった『Rock 'n' Roll Suicide』や『Knock On Wood』『Beauty And The Beast』『Alabama Song』『Wild Is The Wind』『This Is Not America』の6曲が入れ替わって収録され、当時はこの差に惹かれてイギリス仕様の『The Singles Collection』も手に入れた。

北米仕様の『The Singles 1969-1993』はさらに通常の2枚組に加えて Bing Crosby とのデュエット『Peace on Earth/Little Drummer Boy』の1曲だけを収めた限定4万枚の『The Singles 1969-1993』もリリースされた。もちろん、この3枚組を目ざとく見つけて、こちらを手に入れた。

タイトルに Singles とあるものの、シングルとしてリリースされたことのない『Ziggy Stardust』や『Oh! You Pretty Things』が含まれ、日本盤の Sound + Vision シリーズは数か月かけてリリースされたので、先々にリリースされる RCA 時代のアルバムのことを考えながら、この『The Singles 1969-1993』やイギリス盤の『The Singles Collection』を取っ替え引っ替え当時は聴いていた。

北米仕様の『The Singles 1969-1993』は『Space Oddity』と『TVC 15』『Loving The Alien』『Day-In Day-Out』の4曲がこのベスト盤だけの別ミックスで、Sound + Vision シリーズでリリース予定のスタジオ・アルバムとの違いでもあった。

また Queen との『Under Pressure』もそれまでに聞き慣れたバージョンと微妙に異なり、その差は実に奇妙な感じがあった。また、もうひとつ、この北米仕様の『The Singles 1969-1993』が好きな理由に『Cat People (Putting Out Fire)』の収録があった。

1983年の大ヒットしたスタジオ・アルバム『Let's Dance』にも『Cat People (Putting Out Fire)』は収録されていたが、『The Singles 1969-1993』にある同曲は1982年の Nastassja Kinski が主演した映画『Cat People』に使われた映画に合わせた少し暗い雰囲気のバージョンで、同名映画を既に見ていたのでこのバージョンの収録はとても嬉しかった。

北米仕様『The Singles 1969-1993』はその2枚目にスタジオ・アルバムと違うバージョンが多くあり、1970年代終盤から1990年代序盤を一気に駆け抜ける感じで、1970年代を対象にした1枚目の20曲と比べると、サウンドの変遷がより激しかった。

Bowie のベスト盤は今では『Best Of Bowie』が決定版のように思えるが、この『The Singles 1969-1993』はいろいろな理由から今もなお手放せない貴重なベスト盤だ。

The Singles 1969-1993 Featuring His Greatest Hits
【Disc 1】
Space Oddity
Changes
Oh! You Pretty Things
Life On Mars?
Ziggy Stardust
Starman
John, I'm Only Dancing
Suffragette City
The Jean Genie
Sorrow
Drive-In Saturday
Diamond Dogs
Rebel Rebel
Young Americans
Fame
Golden Years
TVC 15
Be My WIfe
Sound & Vision
Beauty & The Beast
【Disc 2】
Heroes
Boys Keep Swinging
DJ
Look Back In Anger
Ashes To Ashes
Fashion
Scary Monsters (And Super Creeps)
Under Pressure (David Bowie And Queen)
Cat People (Putting Out Fire)
Let's Dance
China Girl
Modern Love
Blue Jean
Loving The Alien
Dancing In The Streets (David Bowie And Mick Jagger)
Absolute Beginners
Day-In Day-Out
Never Let Me Down
Jump They Say
【Limited Edition Bonus Single】
Peace On Earth / Little Drummer Boy (David Bowie And Bing Crosby)

タグ：David Bowie 1993

コメント 2

私がDavid Bowie の曲聞きだしたのは『Let's Dance』からなんですが、車ではほとんどQUEEN聞いているのですが、この間久々車で『Let's Dance』のアルバム聞きました。
やっぱり声が魅力的・・・。
David Bowie 魅力は追求すればする程奥が深そうで・・・。

それにしても、CD何枚持っているんですか・・・（汗）。
by デライラ (2011-12-21 19:48) 

CDの枚数はいつか数えたことありましたが、600枚くらいまでは数えました。でも、それも途中で、それ以降、確実増え続け4桁はゆうに超えてるのでは? とても金額換算できないですね、恐ろしくて…。^^;

Bowieのアルバム、私も初めてちゃんと聴いたのはデライラさんと同じです! それから深みにはまり、70年代のアルバムを揃え、80年代以降もその足跡を追い続けましたね。近年、隠遁生活になってしまったの残念です。
by MCMLXV_65 (2011-12-21 23:03)