Mylène Farmer／『2001.2011』

今年最後に入手した CD がこの Mylène Farmer のベスト盤『2001.2011』で、2001年にリリースしたベスト盤『Les Mots』以降の2000年代の Mylène のヒット曲や、このベスト盤でしか聴けない新曲を含めて全18曲が収録されている。

スタジオ・アルバムでは2005年の『Avant que l'ombre...』から2010年までの『Bleu Noir』までの3枚が対象で、タイトルから2001年のベスト盤『Les Mots』からシングル・カットされた3曲もここに含まれていそうに思ったが、それらはひとつもここにはなかった。

前回のベスト盤の目玉だった新曲をまたベスト盤に収録するのもおかしな話なので、曲数合わせでそのような事態にならなくホッとしているが、今回の『2001.2011』でも2つの新曲と、Mylène のこれまでのスタジオ・アルバムになかった曲がひとつあり、合計3曲の目玉曲がこのベスト盤にはあった。

スタジオ・アルバム未収録だった曲は2006年に Moby とデュエットした『Crier La Vie (Slipping Away)』で、ここでのデュエットがきっかけとなり、Mylène の2008年のスタジオ・アルバム『Point de suture』で再び Moby と『Looking For My Name』という曲をデュエットしている。(残念ながら、その『Looking For My Name』はこのベスト盤に未収録)

そして、このベスト盤に収録された2つの新曲はともに Mylène の長年の創作活動のパートナーである Laurent Boutonnat が手掛け、このベスト盤のトップと最後に収められていた。

トップにある『Du temps』はこのベスト盤からのリード・シングルになり、Mylène 自らが描いたというイラストが、そのシングルのジャケットを飾っていた。

ベスト盤だけの新曲を再び Laurent Boutonnat による曲にしたことは、2010年のスタジオ・アルバム『Bleu Noir』での反響を考えてのことなのだろうか。この『Bleu Noir』で Mylène はあの RedOne を引っ張り出してきて、さらに Moby との関係を更に強め、それまでの Laurent Boutonnat 色を排したアルバムにした。

アルバムやカットされたシングルはいずれも全仏チャートで No.1 になったが、その内容についてはそれまでの Mylène の長年のファンの間で少なからず議論になった。その議論の的になったシングルの3曲もこのベスト盤の終盤に続けて登場するので、それまでの Laurent Boutonnat 色の濃いシングル・ヒットと比べてみるのも面白い。

あえて2011年に新作をリリースせず、この10年を総括するタイトルのベスト盤をリリースして、その中の新曲を Laurent Boutonnat で固めてきたということは、この次に予定されている新しいスタジオ・アルバムでは再び Laurent Boutonnat とのパートナーが復活するのでは…?

このベスト盤を聴いて、そんな嬉しい予想をしてしまったが、2012年に Mylène の新作は果たしてリリースされるのだろうか…??

2001.2011
Du temps
Avant que l'ombre...
Fuck Them All
L'amour n'est rien...
Peut-être toi
Q.I
Redonne-moi
Crier La Vie (Slipping Away) (duet with Moby)
Dégénération
Appelle mon numéro
C'est dans l'air
Sextonik
Si j'avais au moins...
Oui mais... non
Bleu noir
Lonely Lisa
Sois-moi - Be Me

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