Swing Out Sister／『Live at the Jazz Café』

きのう紹介した『The Living Return』の中でタイトルだけ記した『Live at the Jazz Café』が、やはり聴きたくなって引っ張り出してきた。このライブ盤の内容は1992年リリースの『Get In Touch With Yourself』リリース後、ロンドンにある Jazz Café というクラブで行われたライブで、その『Get In Touch With Yourself』からは『Am I The Same Girl』を含む6曲が収録されている。

1987年のデビュー盤『It's Better To Travel』からは全英チャートで最高4位をマークした『Breakout』など3曲が収められている。『Breakout』のイントロはオリジナルからかなり雰囲気を変えてプレイされているが、ライブならではの驚きがあって、これはこれで面白いアレンジだ。いざ『Breakout』本編に入るとホーンやバック・ボーカルが入って、オリジナルに近い雰囲気でプレイされている。

続く1989年の2ndアルバム『Kaleidoscope World』からは全英28位を記録した『You On My Mind』の1曲しかないのは残念なところだろうか。

このときのライブは Andy Connell と Corinne Drewery のふたりに加えてバック・ボーカルがふたり。サックスとトランペットのホーン・セクションにギターとベース、ドラム、パーカッションを加えた10人構成。それまでのスタジオ・アルバムにある曲をこの10人でプレイしているが、ライブに合わせたアレンジをしてオリジナルとまた違う雰囲気がそれぞれの曲にあった。

このライブでの主役はもちろん Swing Out Sister の中心を成す Andy と Corinne のふたりだが、それ以外のメンバーのソロ・プレイが随所に織り込まれ、それがオリジナルと違った魅力を各曲に与え、バンドとしての Swing Out Sister というそれまでのスタジオ・アルバムで見せていた Swing Out Sister と違う雰囲気が大いにあった。

その面白さを Andy と Corinne のふたりも同様に感じたのか。この次のスタジオ・アルバム『The Living Return』ではこのライブ盤を収録したときのバンド・メンバーがほぼ引き継がれて作られた。残念ながらチャート上での『The Living Return』の成績は芳しくなかったが、『The Living Return』で示した方向性が好きという向きも多い。

Corinne のボーカルは低い音域もこのライブ盤では多く、なんとなくポーランド出身の Basia を思わせるような雰囲気も感じられた。

収録曲はわずか10曲しかない『Live at the Jazz Café』だが、それぞれの曲にライブならではバンド・メンバーのソロもあって、スタジオ・アルバムと違う雰囲気が楽しい。それだけにこのライブ盤も『The Living Return』同様に今では廃盤扱いというのが残念だ。

Live at the Jazz Café
Get In Touch With Yourself
You On My Mind
Surrender
Everyday Crime
Twilight World
Circulate
Am I The Same Girl
Breakout
Notgonnachange
Who Let The Love Out / Expansions / Coney Island Man / Wives & Lovers

タグ：Swing Out Sister ライブ盤 1993

コメント 1

Swing Out Sisterという名だけは知っていて、当時CD屋で買ったのがこれでした。

歌も勿論良いのですが、Circulateの５分あたりからの部分がライブ感満点で、今でも大好きです。この部分のリズム感、節回し(?)は、日本人の演奏者には無理な感じがします。
by すずめのす (2017-08-31 03:20)