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XTC/『White Music』 [CD]

White-Music.jpgイギリスで1970年中盤に結成された XTC というバンドをリアルタイムに初めて聴いたのはとても遅く、1992年にリリースされた『Nonsuch』というアルバムが最初だった。

その後、XTC はあまりアルバムをリリースすることなく現在に至り、この1978年にリリースされたデビュー盤『White Music』は2001年にリイシューされたリマスター盤を手に入れ初めて聴いた。

2001年のリマスター盤はその他のスタジオ・アルバムも含めて紙ジャケット仕様でリイシューされ、このリイシューではジャケットのエンボス加工などを含め、かなり精巧に LP 時代の趣きが再現されていた。

そして、この『White Music』には LP 時代にあった12曲に加えて、7曲のボーナス・トラックが追加されていた。

その7曲は『White Music』リリースに先駆けて1977年10月にリリースされた『3D EP』に含まれた3曲と、3枚のシングル『Statue Of Liberty』『This Is Pop』『Are You Receiving』のB面曲などだった。

『White Music』にある12曲とリマスター盤に追加されたボーナス曲は1992年リリースの『Nonsuch』と全く異なる曲ばかりで、最初にそれらを聴いたときは「これが本当に同じ XTC なの…?」という感じだった。

『White Music』はギターの Andy Partridge とベースの Colin Moulding、ピアノとオルガンの Barry Andrews、そしてドラムの Terry Chambers の4人で作られ、プロデューサーには1970年代前半に元 The Beatles のメンバーのソロ・アルバムにエンジニアとして関わった John Leckie が務めていた。

『White Music』にある曲の正直な感想を言うと、この当時に流行ったパンクとも何か違う感じで、それを強く印象づけていたのが、ピアノとオルガンを弾いた Barry Andrews のプレイだった。

アルバム最初の『Radios In Motion』こそ Colin の弾くベースがブンブン唸る曲だが、『White Music』というアルバムを全体的に貫いているのは Barry のなんとも不思議な感じのキーボード類の音で、これは後の XTC の作る曲と全然スタイルの異なるものだった。

それだけに最初に『White Music』を通して聴いたときは大いに戸惑い、これに続くスタジオ・アルバムを聴くとなお一層 XTC というバンドがどういう方向を向いているのか戸惑いが増えるばかりだった。

アルバムごとにスタイルを変える姿勢はこの頃に登場した他のバンドと大きく異なり、XTC のどのアルバムが好きかは、人によって大きく異なるだろう。この『White Music』が好きな方は他のスタジオ・アルバムを好きではないかもしれない。たぶん『White Music』を作った頃のバンドとしての XTC が好きな方は、Andy と Colin のふたりが中心になった XTC には関心がないかもしれない。

自分もこの『White Music』は未だにこの頃に流行った他のパンクやニューウェーブのバンドと同じように聴くことができず、XTC だけなにか別な存在に思える。何かに追い立てられるような雰囲気がある『White Music』。なんだか落ち着いて聴くことができないアルバムだ。

White-Music.jpgWhite Music White Music - XTC
Radios In Motion
X Wires
This Is Pop
Do What You Do
Statue Of Liberty
All Along The Watchtower
Atom Age
Set Myself On Fire
I'm Bugged
New Town Animal
Spinning Top
Neon Shuffle
【2001 Remastered Bonus Tracks】
Science Fiction (previously released on『3D EP』)
She's So Square (previously released on『3D EP』)
Dance Band (previously released on『3D EP』)
Hang Onto The Night (released as B-sides on『Statue Of Liberty』)
Heatwave (released as B-sides on『This Is Pop』)
Traffic Light Rock (released on 10" sampler『Guillotine』)
Instant Tunes (released as B-sides on『Are You Receiving Me』)
タグ:xtc 1978


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コメント 2

ノエルかえる

こんにちわ、
取り上げて頂いて有り難うございます。
私がはじめて聞いた時に思ったのは、爆発するピンクフロイド/シド・バレットですが、それは、『スカイラーキング』から『ワスプスター』まで通じるものと思います。
それに、当時のスカンクの感じ。50年代から60年代のテレビのアニメ/特撮の主題歌( FireBall XT5 ) の未来的な感じ。等々でしょうか。
アンディの音楽の種は、50年代のビバップ、チャーリー・パーカーにあって、その頃のモダンな造型が彼の祖型なのだと思います。
by ノエルかえる (2012-01-16 17:41) 

MCMLXV_65

ノエルかえるさん、こんばんは。コメントありがとうございます!このデビュー盤のプロデューサーJohn Leckieって、SydやFloydのアルバムにエンジニアなどで関わっていたので、それで仰られるような感じに思えるんじゃないでしょうか。
Floyd初期の曲はそれ程聴き込んでいなかったので、その辺りの繋がりに疎かったんですが、まだ、そういう発見を追いかけてみるのも面白そうですネ!
XTCはブログで扱うにはとっつきにくいバンドだったので今まで避けてきたんですが、これから徐々にアルバムを聴いて感想をアップしていこうと思いますので、これからもご贔屓にお願いします!!
by MCMLXV_65 (2012-01-16 23:44) 

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