XTC/『Drums and Wires』 [CD]
最近、XTC のスタジオ・アルバムに今さらながらハマっていて、今回取り上げる『Drums and Wires』は1979年8月にリリースされた通算3枚目のスタジオ・アルバムとなる。
この『Drums and Wires』は XTC にとっていろいろと変化の訪れたアルバムで、まず前作までで、とてもアクの強いキーボードの音を奏でていた Barry Andrews が脱退し、新しく Dave Gregory が加わり、バンドにもうひとりのギタリストが増えた。
次にアルバムのプロデューサーが元 The Beatles のソロ・アルバムなどを手掛けてきたデビュー盤以来の John Leckie から、後に U2 や The Pretenders、Peter Gabriel を手掛ける Steve Lillywhite にスイッチ。そしてエンジニアには、まだ Phil Collins の一連のソロ・アルバムや、The Police、Genesis、David Bowie のアルバムで有名になる前の Hugh Padgham が名前を連ねていた。
そして、なによりこの『Drums and Wires』ではベースを弾く Colin Moulding の躍進が目覚しかった。
1978年にリリースされた前作『Go 2』は基本シングル曲がひとつも入っていないスタジオ・アルバムだったが、『Drums and Wires』には『Life Begins At The Hop』『Making Plans For Nigel』『Ten Feet Tall』という3曲のシングルが収められ、そのいずれも Colin 主導で作られた曲だった。
XTC のシングルはそれまで Andy Partridge が作った曲がシングルになってきたが、全英シングル・チャートでは一度もランク・インを果たせなかった。しかし『Drums and Wires』の先行シングル『Life Begins At The Hop』は初の全英チャート入りを果たし、最高54位を記録した。
『Drums and Wires』リリース後の秋にシングル・カットされた『Making Plans For Nigel』は全英チャートでさらに好結果な最高17位をマークし、翌1980年には再レコーディングされた『Ten Feet Tall』が『Drums and Wires』からの3枚目のシングルとしてカットされた。
Andy の作った曲はキーボードの Barry が抜けても一筋縄でいかない、ちょっと変わった曲が多かったが、Barry の弾くニューウェーブっぽいキーボードがなくなった分、もっと聴きやすい曲が増えていた。
だが、Colin の作った曲はシングルになった3曲に代表されるように、さらにポップなつくりになり、Andy が作る曲との対比がより明確で、この『Drums and Wires』は XTC にとってパンクやニューウェーブで括られてきたそれまでから大きく変わるターニング・ポイントになったアルバムだった。
イギリスでリリースされたオリジナルの『Drums and Wires』は『Life Begins At The Hop』を含まない12曲入りだったが、2001年にリイシューされたリマスター盤ではイギリス盤の12曲に続いて『Life Begins At The Hop』と、オリジナルの初回2万枚限定盤に付属の7インチ・シングル盤にあった2曲を含めた3曲がボーナス・トラックとして追加されていた。
イギリス以外の国や地域でリリースされた『Drums and Wires』は『Life Begins At The Hop』を収めイギリス盤と違う曲順でリリースされたモノもあり、Colin 作の『Day In Day Out』がその代わりに外れていた。『Life Begins At The Hop』で始まる『Drums and Wires』もあって、『Making Plans For Nigel』で始まる曲順に慣れたファンには違和感のある『Drums and Wires』もあったのではないだろうか。
Drums and Wires
Making Plans For Nigel ※
Helicopter ★
Day In Day Out ※
When You're Near Me I Have Difficulty ★
Ten Feet Tall ※
Roads Girdle The Globe ★
Real By Reel ★
Millions ★
That Is The Way ※
Outside World ★
Scissor Man ★
Complicated Game ★
【2001 Remastered Bonus Tracks】
Life Begins At The Hop ※ (non-album single A side)
Chain Of Command ★ (free 7" single with the original '79 album release)
Limelight ※ (free 7" single with the original '79 album release)
★:written by Andy Partridge
※:written by Colin Moulding
この『Drums and Wires』は XTC にとっていろいろと変化の訪れたアルバムで、まず前作までで、とてもアクの強いキーボードの音を奏でていた Barry Andrews が脱退し、新しく Dave Gregory が加わり、バンドにもうひとりのギタリストが増えた。
次にアルバムのプロデューサーが元 The Beatles のソロ・アルバムなどを手掛けてきたデビュー盤以来の John Leckie から、後に U2 や The Pretenders、Peter Gabriel を手掛ける Steve Lillywhite にスイッチ。そしてエンジニアには、まだ Phil Collins の一連のソロ・アルバムや、The Police、Genesis、David Bowie のアルバムで有名になる前の Hugh Padgham が名前を連ねていた。
そして、なによりこの『Drums and Wires』ではベースを弾く Colin Moulding の躍進が目覚しかった。
1978年にリリースされた前作『Go 2』は基本シングル曲がひとつも入っていないスタジオ・アルバムだったが、『Drums and Wires』には『Life Begins At The Hop』『Making Plans For Nigel』『Ten Feet Tall』という3曲のシングルが収められ、そのいずれも Colin 主導で作られた曲だった。
XTC のシングルはそれまで Andy Partridge が作った曲がシングルになってきたが、全英シングル・チャートでは一度もランク・インを果たせなかった。しかし『Drums and Wires』の先行シングル『Life Begins At The Hop』は初の全英チャート入りを果たし、最高54位を記録した。
『Drums and Wires』リリース後の秋にシングル・カットされた『Making Plans For Nigel』は全英チャートでさらに好結果な最高17位をマークし、翌1980年には再レコーディングされた『Ten Feet Tall』が『Drums and Wires』からの3枚目のシングルとしてカットされた。
Andy の作った曲はキーボードの Barry が抜けても一筋縄でいかない、ちょっと変わった曲が多かったが、Barry の弾くニューウェーブっぽいキーボードがなくなった分、もっと聴きやすい曲が増えていた。
だが、Colin の作った曲はシングルになった3曲に代表されるように、さらにポップなつくりになり、Andy が作る曲との対比がより明確で、この『Drums and Wires』は XTC にとってパンクやニューウェーブで括られてきたそれまでから大きく変わるターニング・ポイントになったアルバムだった。
イギリスでリリースされたオリジナルの『Drums and Wires』は『Life Begins At The Hop』を含まない12曲入りだったが、2001年にリイシューされたリマスター盤ではイギリス盤の12曲に続いて『Life Begins At The Hop』と、オリジナルの初回2万枚限定盤に付属の7インチ・シングル盤にあった2曲を含めた3曲がボーナス・トラックとして追加されていた。
イギリス以外の国や地域でリリースされた『Drums and Wires』は『Life Begins At The Hop』を収めイギリス盤と違う曲順でリリースされたモノもあり、Colin 作の『Day In Day Out』がその代わりに外れていた。『Life Begins At The Hop』で始まる『Drums and Wires』もあって、『Making Plans For Nigel』で始まる曲順に慣れたファンには違和感のある『Drums and Wires』もあったのではないだろうか。
Drums and Wires
Making Plans For Nigel ※
Helicopter ★
Day In Day Out ※
When You're Near Me I Have Difficulty ★
Ten Feet Tall ※
Roads Girdle The Globe ★
Real By Reel ★
Millions ★
That Is The Way ※
Outside World ★
Scissor Man ★
Complicated Game ★
【2001 Remastered Bonus Tracks】
Life Begins At The Hop ※ (non-album single A side)
Chain Of Command ★ (free 7" single with the original '79 album release)
Limelight ※ (free 7" single with the original '79 album release)
★:written by Andy Partridge
※:written by Colin Moulding
2012-01-22 22:28
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コメント(2)
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こんにちわ、
『ドラムズアンドワイアーズ』の発売日は、コリンの誕生日だったのですよ。偶然ですけど。でも、面白いな、と思うのです。
by ノエルかえる (2012-01-23 17:24)
ご返事が遅くなりました。今、Wikipediaを見たらColinは1955年の8月17日生まれ。24歳の誕生日に『Drums and Wires』をリリースしたんですね!
こういうのって、Colinはあらかじめ知っていたんですかね。それとも単なる偶然…? いや、それはないでしょうね。^^;
by MCMLXV_65 (2012-01-24 07:37)