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The Ting Tings/『Sounds From Nowheresville』 [CD]

Sounds-From-Nowheresville.jpgKatie White と Jules de Martino の男女二人組による The Ting Tings が待望の2ndアルバム『Sounds From Nowheresville』をリリースした。「待望の…」と記したが、新作の噂は2年くらい前からあったが全くリリースされる気配がなく、このジャケットのイラストが発表になったときは「ようやく決まったか!」という思いだった。

2010年秋には『Hands』という曲がシングル・カットされ、これも『Sounds From Nowheresville』に収録されると思っていたが、通常版の10曲入り『Sounds From Nowheresville』には収録されず、Deluxe edition と呼ばれる2枚組のみの収録なので、『Hands』も聴きたい方は少々値が張る Deluxe edition かどうかを確認する必要がある。

通常版は10曲で35分弱の短いアルバムなので、一気に最後の曲『In Your Life』まで聴けてしまう。最初にアルバムを通して聴いた感想は、デビュー盤『We Started Nothing』と同じようなスタイルを持つ2ndアルバムからの実質的なリード・シングル『Hang It Up』以外の9曲に「???」という印象だった。

だが、2度、3度と聴きこんでいくうちに「なんとなく面白いアルバムだな」と、思えるようになり、スルメを味わっているときにも似たような感触になってきた。

この『Sounds From Nowheresville』が出来上がる前、The Ting Tings は既に一枚分のアルバムを作れるくらいの曲を揃えていたらしいが、それがあまりにラジオ向けな曲だとして、そのほとんどをボツにして、この『Sounds From Nowheresville』向けに新たに曲を作ったと語っている。

そんな事情を聴くと、デビュー盤にある曲と同じような曲がこの2ndアルバムに少ない理由がわかり、この『Sounds From Nowheresville』をレコーディングした場所にドイツのベルリンが含まれていることから Katie White のボーカルになんとなくドイツ出身の Nena を連想もした。

『Sounds From Nowheresville』のジャケットはふたりの骸骨姿のイラストだが、これは Show Us Yours というコンテストに応募された中にあったイラストの1つだそうで、それが The Ting Tings の目に留まり、見事2ndアルバムのフロント・ジャケットに採用された。Katie によれば、他の応募作もこの『Sounds From Nowheresville』のブックレットに一部使われているそうだ。

『Sounds From Nowheresville』で好きな曲はデビュー盤にも通じる1stシングルの『Hang It Up』以外に、世界中に点在する美術館の名前としても有名な『Guggenheim』や、一瞬 Gorillaz の曲? と勘違いしそうなイントロで始まる『Give It Back』。LP 時代ならB面トップを飾ったであろう、ギシギシといった擬音がずっと鳴り響く『Soul Killing』。ユーロ・ポップな雰囲気のシンセサイザーをバックに Katie の気だるいボーカルがハマる『One By One』など、アルバム中盤にも面白い曲が立て続けに並んでいる。

シンセサイザーの音をふんだんに使った『One By One』の後に、アコースティックな『Day To Day』を持ってくる辺りの編集も面白いし、この『One By One』での Katie のボーカルも好きだ。

続く『Help』のイントロもまた別のバンドの曲、ここでは The Cranberries の『Linger』を連想させられたが、この曲も新生 The Ting Tings が伝わってくる曲で、中盤では再びシンセサイザーの音が曲全体に鳴り響き、イントロの印象とガラリと雰囲気を変える構成になっている。

最後の曲『In Your Life』はこの2ndアルバムで最もテンポの遅い曲で、途中でその雰囲気は変わることなく、Ketie の気だるいボーカルとストリングスの切ない雰囲気が漂う中で、アルバムは終りを迎える。

『Sounds From Nowheresville』にデビュー盤『We Started Nothing』のスタイルを求めると、この記事の冒頭に記したように「???」という印象になるだろう。そこで聴くのをストップしてしまうと『Sounds From Nowheresville』は面白くないアルバムとなってしまうが、そこから何度も聴きこむと新生 The Ting Tings が楽しめる。『Sounds From Nowheresville』は好き嫌いがハッキリ分かれそうなアルバムだ。

Sounds From Nowheresville Sounds from Nowheresville - The Ting Tings
Sounds-From-Nowheresville.jpgSilence
Hit Me Down Sonny
Hang It Up
Give It Back
Guggenheim
Soul Killing
One By One
Day To Day
Help
In Your Life


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