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XTC/『The Big Express』 [CD]

The Big Express.png1980年代の XTC はほぼ毎年スタジオ・アルバムをリリースし、前作『Mummer』から約1年後の1984年10月に、この通算7枚目のスタジオ・アルバム『The Big Express』はリリースされた。

しかし、『The Big Express』はリリース当時、アルバムを通して聴いたことがなく、ここからシングル・カットされた『All You Pretty Girls』と『This World Over』の2曲もその当時のチャート番組などで聴いた記憶はなかった。

このブログでも1984年に聴いていたアルバムを約30枚近く紹介してきたが、この頃は第2期ブリティッシュ・インベイジョンの真っ只中で、その中にあって XTC というバンドはほとんど見聴きする機会がなかった存在で、1990年代以降にその存在を振り返るようにして聴いたバンドだった。

『The Big Express』は1984年当時、LP と同じ体裁の円形ジャケットとしてリリースされ、2001年に紙ジャケット仕様でリイシューされたときも、その円形ジャケットが忠実に再現されていた。機関士に扮した XTC の3人が顔を煤だらけにして写る CD を収めるインナースリーブも同様に再現されていた。

この頃の XTC はライブ活動を止め、スタジオに篭ってアルバム制作に没頭していた時期で、この『The Big Express』のレコーディングにもそれまでで最長の約5か月を費やしたとある。

Colin Moulding 作の『Wake Up』は幻想的なコーラスのエンディングがあり、そのタイトルどおり目覚めを告げるような雰囲気を持つ曲で、アルバムの出だしとしては相応しい曲だった。

『The Big Express』は XTC の出身地である Swindon への思いが込められたアルバムとのことで、Swindon で鉄道産業が盛んだったことからジャケットに汽車の車輪をアップにした画像が使われ、インナーの機関士に扮したメンバーの画像もそんなところに由来しているらしい。

『The Everyday Story Of Smalltown』や、汽車の停車する様子を思い起こさせるアルバム最後の曲『Train Running Low On Soul Coal』など、地元 Swindon への思いを連想させる曲があるのも、この『The Big Express』の特徴になっていた。

『The Big Express』にある曲もまた、LP 時代のA面にあった5曲とB面にあった『The Everyday Story Of Smalltown』以降の6曲は巧みな編集で組曲のようなかたちになっていた。

そんなかたちのアルバムから『All You Pretty Girls』と『This World Over』の2曲がシングル・カットされたが、アルバムの流れにそれぞれの曲は組み込まれていたので、シングルのように独立して聴くよりアルバムとして聴くのがふさわしいように思えた。

スタジオに篭り、Andy Partridge のやりたいことが詰まった『The Big Express』だが、商業的には前作『Mummer』とそう大きな変化はなく、英38位/米181位とチャート上での結果もまた芳しくなかった。

『The Big Express』はファンや一部のメディアに高評価だったかもしれないが、この当時にヒットした曲やアルバムと比べると、個人的には地味な感じのアルバムに映ってしまった。

The Big Express.pngThe Big Express The Big Express - XTC
Wake Up
All You Pretty Girls
Shake Your Donkey Up
Seagulls Screaming Kiss Her Kiss Her
This World Over
The Everyday Story Of Smalltown
I Bought Myself A Liarbird
Reign Of Blows
You're The Wish You Are I Had
I Remember The Sun
Train Running Low On Soul Coal
【2001 Remastered CD Bonus tracks】
Red Brick Dream (released as B-sides on『All You Pretty Girls』)
Wash Away (released as B-sides on『All You Pretty Girls』)
Blue Overall (released as B-sides on『This World Over』)
タグ:xtc 1984


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コメント 2

ノエルかえる

こんにちわ、
取り上げて頂いて嬉しいです。
ジャケット、円形では分からないのですが、
通常の方形だと、車輪の右下に、
きりぎりすが留っていて、( もちろん偶然 )
それも、象徴的に思えて面白いです。
このアルバム、発表当時は先鋭に思えたリン・ドラムが、
暫く経つと、時代がかったものに思えていたのですが、
更に時間が経つと、このXTC のリン・ドラムは、
当時の他のバンドに比べて、格段に「楽器」的に聞こえる
ように思え始めました。
( 例えば、アンソニー・ムーアの『The Only Choice』に比べても )
それは、機関車が何か人間的に思えるのと似ている様に
思います。
by ノエルかえる (2012-03-18 11:24) 

MCMLXV_65

ノエルかえるさん、いつもXTCのアルバムにコメントをありがとうございます! XTCのアルバムも、やっとココまで来ました。
円形ジャケがオリジナルで、方形ジャケはアーティストの意向は絡んでいないと思っていましたが、キリギリスがいるなんて知りませんでしたね。それもAndyたちの仕掛けたイタズラなんでしょうかネ…? ^^;
by MCMLXV_65 (2012-03-18 12:54) 

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