Avril Lavigne／『Under My Skin』

シンプルなタイトルの曲が並ぶ Avril Lavigne が2004年5月にリリースした2ndアルバムの『Under My Skin』。17歳の頃にリリースしたデビュー盤『Let Go』から2年を経た『Under My Skin』は、デビュー盤の頃からさらに力強くなったと感じる曲が多く、このジャケットに写る Avril にもその2年の成長を感じた。

『Let Go』よりセールス面での成績は落ちたが『Under My Skin』は発売初週に約40万枚を売上げ、全米アルバム・チャートに No.1 で初登場。約半年後の2004年暮れには200万枚に達し、2006年1月時点のアメリカでのセールスは300万枚にも達した。

『Under My Skin』からは4枚のシングルがカットされ、1stシングルの『Don't Tell Me』は英5位/米22位をマーク。2ndシングルの『My Happy Ending』は英5位/米9位と英米双方のチャートで Top10 入り。以降、『Nobody's Home』『He Wasn't』がアルバムからシングル・カットされた。

このシングル・カットされた4曲は、それぞれ関わったスタッフに特徴があった。

まず『Don't Tell Me』は Avril のバンドでギターを弾く Evan Taubenfeld が作曲面で関わり、続く『My Happy Ending』は1980年代終盤から SouthGang や Marvelous 3 というメタル・バンドでギター兼ボーカルの Butch Walker が作詞で参加。『Nobody's Home』の作曲では Avril と共に元 Evanescence のギタリスト Ben Moody の名前があった。

そして、この『Under My Skin』でお気に入りな曲だった『He Wasn't』では Avril より10歳上で同郷カナダ出身の Chantal Kreviazuk がライターとして参加。Chantal は夫で Our Lady Peace のボーカル Raine Maida と共に『Under My Skin』で多くの曲に関わり、作詞面でアルバムの半数6曲を Avril と共作した。

Avril と Chantal は『Under My Skin』リリースの前年、2003年夏頃からの友人で、Chantal の夫 Raine の属する Our Lady Peace は Avril の2002年暮れから始まった Try To Shut Me Up Tour の欧州圏でのオープニング・アクトを務めていた。

その繋がりから Avril に10歳年上の妻 Chantal が紹介され、意気投合した Avril はこのアルバム用の曲を Raine がトロントに所有する倉庫に篭り3週間で書き上げ、その後、カリフォルニア州マリブにある Raine と Chantal の持つスタジオでアルバムの大半の曲のレコーディングしたという。

Chantal はアルバムのプロデュースも Raine に任せてはと Avril に勧め、最終的に『He Wasn't』を含めた5曲で Raine はプロデュースを担当。その他の曲では Linkin Park や Good Charlotte を手掛けた Don Gilmore が『Nobody's Home』など4曲を、Butch Walker が『Don't Tell Me』など3曲をプロデュースした。

『Under My Skin』がデビュー盤よりロックな面が強くなったと感じたのは、こういったスタッフが集まったことも影響していたのだろう。この方向性が好きだったので、これを Avril には続けて欲しかったが、次のアルバムではポップ寄りな曲が多くなってしまい、少し残念な思いもした。

Under My Skin
Take Me Away
Together
Don't Tell Me
He Wasn't
How Does It Feel
My Happy Ending
Nobody's Home
Forgotten
Who Knows
Fall To Pieces
Freak Out
Slipped Away

タグ：Avril Lavigne 2004