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The Rolling Stones/『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』 [CD]

StoneagedSanDiego69.jpgStonesArchive.com で公式ブートレグ (海賊盤) が次々とリリースされる中、次に公式化されるタイトルとして1969年11月7日から始まった北米ツアーの4日目、カリフォルニア州サンディエゴ公演を収めた『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』は、いろいろな意味で面白いと思う。

1966年7月のワールド・ツアー以来となる北米を廻るツアーの序盤に組み込まれたサンディエゴ公演のブートレグは、アナログ時代にこのデザイン以外にもリリースされ、今回紹介の『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』のジャケットには Digital Remastered と表記され、収録時間は約67分で全15曲が収められている。

StonesArchive.com から最近リリースされた2枚のブートレグは共に CD で2枚組に相当するボリュームだった点と、1960年代のブートレグも公式化を期待したい点。そして、この北米ツアーは Brian Jones の後任として加入した Mick Taylor を伴った初めてツアーだったこともあり、これまでの3枚との差別化も図れるように思う。

このサンディエゴ公演の一日前、11月9日のオークランド公演を収めた『Live'r Than You'll Ever Be』というタイトルはブートレグ初期を代表する一枚と言われ、この北米ツアーの終盤、11月末のボルティモアとニューヨーク公演からは初の公式ライブ盤『Get Yer Ya-Yas Out!』も作られた。

『Get Yer Ya-Yas Out!』との重複が多い『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』だが、北米ツアーの序盤と終盤の違いや、オーバーダブが施された『Get Yer Ya-Yas Out!』と、される前の素の状態の『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』の聴き比べも面白いと思う。

その『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』の聴きどころには、『Sympathy For The Devi』で「Who killed the Kennedys?」を含む部分の歌詞がそっくり飛ばされている点や、『Honky Tonk Women』でニューヨーク・バージョンとパリ・バージョンの両方が歌われていることがある。(『Get Yer Ya-Yas Out!』の『Honky Tonk Women』はニューヨーク公演なのに、なぜかニューヨーク・バージョンではなく、パリ・バージョンが収録されている)

そして最も面白い箇所は最後の曲、『Street Fighting Man』で Keith Richards の弾くギターのチューニングが狂ったままプレイされ、それがそのまま収録されていることで、この点は公式化されない理由になってしまうかもしれない。(もしくは他の公演から、Keith のギターをそっくり差替えられる可能性も…)

デジタル・リマスターされた (と言われる) 以前の盤では『Jumping Jack Flash』の冒頭が欠けていたが、それもこのデジタル・リマスター盤では解消された。しかし、テープ・チェンジの箇所に相当する『Midnight Rambler』のイントロは、このデジタル・リマスター盤でも欠けたままだったが、この箇所も公式にレコーディングされた素材が保存されていれば解消される可能性もある。

1969年の北米ツアーが始まった時点では、まだスタジオ・アルバム『Let It Bleed』のリリース前だったが、『Love In Vain』『Midnight Rambler』『Live With Me』の3曲が披露され、1971年にリリースの『Sticky Fingers』からも『You Gotta Move』がいち早くこのツアーではプレイされていた。

また、この北米ツアーは Mick Taylor を含めた5人のメンバーに Ian Stewart のピアノが加わっただけの編成で、ホーン・セクションなどのサポート・メンバーが帯同しないシンプルなメンバーでのライブは、この北米ツアーが最後だった。

この北米ツアーの公式ライブ盤『Get Yer Ya Ya's Out!』にないアコースティックな『Prodigal Son』と『You Gotta Move』の2曲も聴きどころな『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』は、StonesArchive.com でまだリリースされていない1960年代のライブである点や、これだけ興味深い内容があるので、これまでと同様に Bob Clearmountain の手による新たなリマスタリングが施されれば…と期待するが、ハードルはやはり、Keith のギター・チューニングが狂ったままでプレイされた『Street Fighting Man』だろうか?

それを訂正しないでリリースするのも面白いと思うが、それを Keith が快諾するとも…。

Stoneaged San Diego Sixty-Nine
Jumping Jack Flash (※TTPD,GYYYO)
StoneagedSanDiego69.jpgCarol (※GYYYO)
Sympathy For The Devil (※BB,GYYYO)
Stray Cat Blues (※BB,GYYYO)
Prodigal Son (※BB)
You Gotta Move (※SF)
Love In Vain (※LIB,GYYYO)
I'm Free
Under My Thumb
Midnight Rambler (※LIB,GYYYO)
Live With Me (※LIB,GYYYO)
Little Queenie (※GYYYO)
(I Can't Get No) Satisfaction
Honky Tonk Women (※TTPD,GYYYO)
Street Fighting Man (※BB,GYYYO)
 BB:『Beggars Banquet』収録
 TTPD:『Through The Past, Darkly (Big Hits Vol. 2)』収録
 LIB:『Let It Bleed』収録
 GYYYO:『Get Yer Ya Ya's Out!』収録
 SF:『Sticky Fingers』収録


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