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Joss Stone/『Mind Body & Soul』 [CD]

MindBodySoul.jpgデビュー盤『The Soul Sessions』から、ちょうど1年後の2004年9月にリリースされた Joss Stone の2ndアルバム『Mind Body & Soul』。デビュー盤の曲は全てカバーだったが、この『Mind Body & Soul』では全14曲中、11曲で Joss が曲作りに関わった、全てがオリジナルの曲だった。

『Mind Body & Soul』はアルバム表記上、最後の曲『Sleep Like A Child』が終わった後に約10分の無音があり、それに続いて『Daniel』という隠しトラックがある。この曲だけ、Joss が単独でクレジットされた曲だった。

この曲のタイトルにもある Daniel とは Joss の異父兄弟で、ドラッグ中毒の過去があり、武装強盗の容疑で収監されたが、釈放を目前にして脱走。その後、車の窃盗もしたことで追加刑期が課せられ、ようやく2004年に刑期を終えて出所したらしい。

『Mind Body & Soul』に話を戻すと、デビュー盤がセールスとメディアの双方で評価が良かったことで、そのときのスタッフが「今度は全てオリジナル曲でアルバムを」と、考えたのだろう。主要スタッフが引続き『Mind Body & Soul』に関わり、オリジナル曲で固めた本格的な Joss のアルバムを作り上げた。

新たに加わったスタッフの中には、この頃にデビューした、やはり英国出身の Amy Winehouse のデビュー盤『Frank』に関わった Salaam Remi や Commissioner Gordon の名前があり、Salaam Remi は『Young At Heart』でベースやピアノなどを弾き、この曲のプロデュースも担当。Commissioner Gordon は『Less Is More』でエンジニアとプロデュースを務めた。

Joss の『Mind Body & Soul』がリリースされた頃は、アメリカでも Alicia Keys が2ndアルバム『The Diary of Alicia Keys』をリリースしていたが、アメリカとイギリスの若いアーティストのソウルへの取り組み方は、個人的にはイギリス出身アーティストに、よりソウルを感じた。

デビュー盤『The Soul Sessions』を聴き、その考えは当たっていたと思い、この『Mind Body & Soul』にその延長線を期待したが、このアルバムではデビュー盤よりソウルな曲が減り、当時の流行に沿った R&B 寄りな曲、よりポップな曲が多かった。

『The Soul Sessions』からのリード・シングルに選ばれた『You Had Me』では元 Chic の Nile Rodgers もギターで参加、全英チャートでは Joss のそれまでのシングルで最高の9位と、初の Top10 入りも果たし、2005年の Grammy 賞で Best Female Pop Vocal Performance にもノミネートされた。

2枚目のシングル『Right To Be Wrong』のライターにはデビュー盤のプロデュースを務めた Betty Wright と Joss に加えて、1980年代に KISS や Bon Jovi の曲を手掛けた Desmond Child の名前があり、4枚目のシングルになった『Don't Cha Wanna Ride』のライター陣の中にも、その名前があった。

3枚目のシングル『Spoiled』は Motown の作曲チーム Holland-Dozier-Holland の Lamont Dozier が関わったバラードで、この曲はデビュー盤で魅せたスタイルに近い曲だった。『Mind Body & Soul』では好きな曲のひとつだ。

Joss がライターとして全面的に関わった『Mind Body & Soul』は、Joss のやりたい方向が見えた気もした。だが、タイトルにデビュー盤と同じく Soul の文字はあるものの、より、2000年代序盤の流れに沿った曲が多くなり、『The Soul Sessions』と同じ傾向のアルバムを期待していた分、少し物足りなさを感じた。

より多くのスタッフに恵まれた (?) 『Mind Body & Soul』だが、多くの意見やスタッフが集まった一方で、Joss の個性がその中に埋もれてしまったようにも思えた。

Joss も「これじゃ、ダメ…」と思ったのだろうか。次のアルバム『Introducing... Joss Stone』のリリースまでに3年もの時間がかかることになった。

『The Soul Sessions』の続きを求めると物足りなさを。しかし、2004年当時の状況を考えれば、まだ10代の Joss が作った良いアルバムだとも思える『Mind Body & Soul』。このアルバムに何を期待するかで、その評価は分かれそうなアルバムだ。

MindBodySoul.jpgMind Body & Soul Mind Body & Soul (Special Edition) - Joss Stone
Right To Be Wrong
Jet Lag
You Had Me
Spoiled
Don't Cha Wanna Ride
Less Is More
Security
Young At Heart
Snakes And Ladders
Understand
Don't Know How
Torn And Tattered
Killing Time
Sleep Like A Child
【hidden track】
Daniel
タグ:Joss Stone 2004


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