ローリング・ストーンズを聴け! [いろいろと…]
50年という節目を新たな音楽活動で迎えるのではなく、書籍というかたちで、それも英語と日本語の書籍でいろいろ提供してくれている The Rolling Stones だが、今度は『…を聴け!』というシリーズでお馴染みの中山康樹氏による『ローリング・ストーンズを聴け!』が出版された。
もちろん、この『ローリング・ストーンズを聴け!』はバンド公認の書籍ではないが、これまでにリリースしてきたレコードを EP 盤、LP 盤 を含めて全部で50枚を取り上げ、単なるディスコグラフィとしてではなく、その当時にリリースしたシングルとの絡みなども踏まえて紹介している。
まだ全部を読み終えていないが、1960年代にイギリス盤/アメリカ盤と構成を変えてリリースした初期のアルバムの紹介は、とても興味深く読める内容だった。
1960年代のアメリカ盤はシングル・ヒットした曲を追加して、イギリス盤とタイトルは同じでも異なる構成でリリースされたが、そのおかげで Mick Jagger と Keith Richards が手掛けたヒット・シングルが華やかさを与えた一方で、Brian Jones がバンドに与えた影響が薄くなってしまい、本来 The Rolling Stones が考えた意図が見えにくくなったという著者の意見には大いに頷けた。
1960年代のアルバムは1967年の『Their Satanic Majesties Request』に至るまで英米で異なるアルバムがリリースされ、現在 CD でリリースされているアルバムはアメリカ盤が中心のラインアップとなっている。
その中でも1965年の『Out Of Our Heads』、1966年の『Aftermath』、1967年の『Between The Buttons』の3枚だけは英米双方でリリースされたかたちで CD もリイシューされ、以前、当ブログでも紹介したが、今回『ローリング・ストーンズを聴け!』を読んだ後では、シングル盤となった曲の入っていないイギリス盤こそがオリジナルの The Rolling Stones の意図したアルバムだと改めて思った。
そして、その意図を更に明確にするために必要なのが、1064年から1965年にかけてリリースされた3枚の EP 盤で、この『ローリング・ストーンズを聴け!』では、その3枚についてもページを割いて紹介している。(この3枚の EP 盤は2004年にリリースされたボックス『Singles 1963-1965』に収録されている)
アメリカ盤の『Out Of Our Heads』には『The Last Time』や『(I Can't Get No) Satisfaction』があり、『Aftermath』には『Paint It, Black』が、そして『Between The Buttons』には『Let's Spend The Night Together』と『Ruby Tuesday』のヒット・シングルがあり、1枚のアルバムでシングル曲も楽しめる構成だった。
しかし、当時の The Rolling Stones は同世代の The Beatles 以上にシングルとアルバムは別モノという考えがあり、シングルでは Jagger/Richards としての面を前に押し出していたが、アルバムでは徐々にリーダーの座を追われていくものの、サウンド面で大きく貢献する Brian の姿があり、それを正しく捉えるには現在流通している ABKCO 主導のアメリカ盤ではなく、タイトルやバンド名が何も印刷されていないイギリス盤のデビュー盤や2ndアルバムだと、本書では紹介している。
それを読みながら『Singles 1963-1965』にあった3枚の EP 盤を聴いたり、現在手元にある『Aftermath』などのアルバムを聴きながら、CD で廃盤状態にあるイギリス盤のデビュー盤と2枚目の『The Rolling Stones No. 2』も Music Unlimited で聴いてみた。この2枚はともに全英チャートで No.1 になっているし、これ以降の3枚の同名異曲のアルバムがリイシューされたのなら、この2枚のアルバムも CD でリイシューしてもいいのでは…? と、思えた。
今、CD は売れない時代と言うが『ローリング・ストーンズを聴け!』でこのようなかたちで初期のイギリス盤のアルバムが紹介されると、それらのアルバムも改めて聴いてみたくなる。
書籍と CD というメディアが手を組み、こういう機会を見逃すことはないと思うし、ましてや「50年」という機会は二度とないのだから、これは The Rolling Stones が本来意図したイギリス盤アルバムを周知する、またとない絶好の機会に思うが、現在 The Rolling Stones を扱うレーベルに、そういう考えはないのだろうか…?
もちろん、この『ローリング・ストーンズを聴け!』はバンド公認の書籍ではないが、これまでにリリースしてきたレコードを EP 盤、LP 盤 を含めて全部で50枚を取り上げ、単なるディスコグラフィとしてではなく、その当時にリリースしたシングルとの絡みなども踏まえて紹介している。
まだ全部を読み終えていないが、1960年代にイギリス盤/アメリカ盤と構成を変えてリリースした初期のアルバムの紹介は、とても興味深く読める内容だった。
1960年代のアメリカ盤はシングル・ヒットした曲を追加して、イギリス盤とタイトルは同じでも異なる構成でリリースされたが、そのおかげで Mick Jagger と Keith Richards が手掛けたヒット・シングルが華やかさを与えた一方で、Brian Jones がバンドに与えた影響が薄くなってしまい、本来 The Rolling Stones が考えた意図が見えにくくなったという著者の意見には大いに頷けた。
1960年代のアルバムは1967年の『Their Satanic Majesties Request』に至るまで英米で異なるアルバムがリリースされ、現在 CD でリリースされているアルバムはアメリカ盤が中心のラインアップとなっている。
その中でも1965年の『Out Of Our Heads』、1966年の『Aftermath』、1967年の『Between The Buttons』の3枚だけは英米双方でリリースされたかたちで CD もリイシューされ、以前、当ブログでも紹介したが、今回『ローリング・ストーンズを聴け!』を読んだ後では、シングル盤となった曲の入っていないイギリス盤こそがオリジナルの The Rolling Stones の意図したアルバムだと改めて思った。
そして、その意図を更に明確にするために必要なのが、1064年から1965年にかけてリリースされた3枚の EP 盤で、この『ローリング・ストーンズを聴け!』では、その3枚についてもページを割いて紹介している。(この3枚の EP 盤は2004年にリリースされたボックス『Singles 1963-1965』に収録されている)
アメリカ盤の『Out Of Our Heads』には『The Last Time』や『(I Can't Get No) Satisfaction』があり、『Aftermath』には『Paint It, Black』が、そして『Between The Buttons』には『Let's Spend The Night Together』と『Ruby Tuesday』のヒット・シングルがあり、1枚のアルバムでシングル曲も楽しめる構成だった。
しかし、当時の The Rolling Stones は同世代の The Beatles 以上にシングルとアルバムは別モノという考えがあり、シングルでは Jagger/Richards としての面を前に押し出していたが、アルバムでは徐々にリーダーの座を追われていくものの、サウンド面で大きく貢献する Brian の姿があり、それを正しく捉えるには現在流通している ABKCO 主導のアメリカ盤ではなく、タイトルやバンド名が何も印刷されていないイギリス盤のデビュー盤や2ndアルバムだと、本書では紹介している。
それを読みながら『Singles 1963-1965』にあった3枚の EP 盤を聴いたり、現在手元にある『Aftermath』などのアルバムを聴きながら、CD で廃盤状態にあるイギリス盤のデビュー盤と2枚目の『The Rolling Stones No. 2』も Music Unlimited で聴いてみた。この2枚はともに全英チャートで No.1 になっているし、これ以降の3枚の同名異曲のアルバムがリイシューされたのなら、この2枚のアルバムも CD でリイシューしてもいいのでは…? と、思えた。
今、CD は売れない時代と言うが『ローリング・ストーンズを聴け!』でこのようなかたちで初期のイギリス盤のアルバムが紹介されると、それらのアルバムも改めて聴いてみたくなる。
書籍と CD というメディアが手を組み、こういう機会を見逃すことはないと思うし、ましてや「50年」という機会は二度とないのだから、これは The Rolling Stones が本来意図したイギリス盤アルバムを周知する、またとない絶好の機会に思うが、現在 The Rolling Stones を扱うレーベルに、そういう考えはないのだろうか…?
2012-07-21 20:40
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コメント(4)
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イギリス盤をCDで聴いてみたい。同感です。
ストーンズなら売れると思います。
by ミネちゃん (2012-07-21 21:31)
ミネちゃんさん、こんばんは。DECCA時代のイギリス盤で1960年代は統一して欲しいと、この本を読んで、改めて思いましたね。
今はシングルでしかリリースされなかった曲も、だいたいCDとして聴けますし、シングル曲を含まないイギリス盤オリジナル・アルバムをちゃんとしたかたちで聴きたいですね。
by MCMLXV_65 (2012-07-21 22:44)
米盤がスタンダードで支持者も多い日本で珍しいですね。
自分もレコード時代、たまたま英盤で聴き始めたので内容には同意できそうです。
早速、買って見ます!
by ezee (2012-07-23 00:13)
ezeeさん、コメントありがとうございます!なぜかイギリスが母国なのに、米盤で統一されてしまった1960年代。バンドの意志と違うところで楽曲管理されている「弊害」ですよね。
日本で米盤が人気なのはシングルも入っていたからでしょう。やっぱりストーンズ側が当時考えていた意図で1960年代のアルバムは整理統合してほしい! と、感じた一冊でした。ぜひ、お手元に!! (って、どこかの回し者みたい…^^;)
by MCMLXV_65 (2012-07-23 08:03)