Queen／『At The BBC』：洋楽 ga 好き！

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Queen／『At The BBC』 [CD] [編集]

国内の amazon は輸入盤2枚購入で1割引きがなくなり、HMV は複数枚購入しないと割引きがないなど、国内の大手ネットショップに最近メリットを感じない中、よく使うのが WOW HD というショップで、ここは品揃えは前述の2つに劣るが、価格は1枚購入でも安い場合があり、時々15%引きや、100円クーポンの配布もあったりする。

そういう時期を狙い、以前から欲しかった CD をまとめ買いしているが、今回紹介する Queen の BBC セッションでの音源を集めた『At The BBC』も、そういう機会に15%割引きを使って1000円少々で入手した1枚だ。

WOW HD はプラス100円で輸送時の補償もかけられるので、1枚だけの注文だと不経済だが、他の CD とまとめて購入すれば、その100円もあまり高い存在でなくなる。

WOW HD の宣伝ばかりになってしまったので、本題の『At The BBC』に戻すと、このアルバムは Queen が1973年の2月と12月に BBC で行なったセッションの曲を収録したアルバムで、1989年にまずイギリスで『At The Beeb』というタイトルで Band of Joy というレーベルからリリースされた。

カラフルなジャケットの『At The BBC』と対照的な白黒画像が使われた『At The Beeb』とで収録曲に差はなく、『At The BBC』は1990年代に北米地域で Queen のカタログを管理していた Hollywood Records からリリースされた。

『At The Beeb』は日本でも邦題『女王凱旋!』としてテイチクからリリースされたが、その当時は「なぜ Queen のアルバムがテイチクから出るんだ?」と、不思議に思い、ひょっとしたら半ブートレグ (海賊盤) なのかと思い、手を出さなかった。

BBC での最初のセッションは1973年2月5日。『At The BBC』では『Liar』までの4曲がそれにあたる。そして3回目のセッションはその年の年末、12月3日に行われ、既にリリースされていた『Queen II』収録の『Ogre Battle』から始まる後半4曲が、そのときの音源になる。

Queen の BBC で行なった他のセッションの様子は、以前紹介したブートレグの『Rare Cuts Vol.1』や『Rare Cuts Vol.2』で聴くことができ、『At The BBC』が揃ったことで、ようやく Queen の BBC での全てのセッションの様子が揃うことになった。

最初のセッションはデビュー盤のレコーディングの最中に行われ、そのデビュー盤のベーシック・トラックにボーカルを重ねたような雰囲気で、ライブとは言えないかもしれない。しかし、ライブで一度もプレイされたことのない『My Fairy King』や、終盤に Roger Taylor がリード・ボーカルを務める『Doin' Alright』があったりと、貴重なテイクがある。

そして、12月の3回目のセッションでは『Queen II』がリリースされていたにも関わらず、同作の曲が複雑なレコーディングだったせいか、『Ogre Battle』以外はデビュー盤からの曲ばかり。だが『Son And Daughter』にある Brian May のソロでは3rdアルバムに収録される『Brighton Rock』のフレーズが入っていたりする。

1990年代に Queen のアルバムをリリースしていた Parlophone は、アルバム『Made in Heaven』からのシングル『Let Me Live』の CD で、BBC セッションから『Keep Yourself Alive』を除く3曲を収録し、そこに「Taken from the forthcoming album "Queen At The BBC"」とあった。「BBC 音源が Parlophone レーベルから正式にリリースされる…?!」と期待したが、結局、Parlophone から『Queen At The BBC』がリリースされることはなかった。

音質面では前半4曲と後半4曲で差がある『At The BBC』だが、BBC に残した貴重なテイクが聴けることもあり、40分にも満たない短いアルバムでもセミ・オフィシャル的な存在のアルバムだ。