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The Velvet Underground & Nico/『The Velvet Underground & Nico』 [CD]

TheVelvetUndergroundNico.jpgPC オーディオという環境で、新旧問わず気になったアルバムをいろいろ聴いているが、その中の一枚が、1967年にリリースされたバナナ・ジャケットで有名な The Velvet Underground のデビュー盤で、このアルバムほどリリース当時の評判と、今現在の評判が180度異なるアルバムもないだろう。

そのひとつの証が、ここにある11曲全てが多くのアーティストやバンドにカバーされていることにあるだろう。

1曲目の『Sunday Morning』は1980年代に Strawberry Switchblade、1990年代に Nina Hagen にカバーされ、続く『I'm Waiting For The Man』は作者の Lou Reed が1970年代にセルフ・カバーし、それがオリジナルよりも有名かもしれない。Nico も自ら1980年代にカバーし、他に有名なところでは1990年代の Vanessa Paradis や、ライブでよくプレイした David Bowie のバージョンだろうか。

『Femme Fatale』は1980年代に R.E.M. や Tom Tom Club が、1990年代に入ってからは Duran Duran や Teenage Fanclub がカバー。『Venus In Furs』をカバーした中に知った名前はあまりないが、それでも1980年代から現在まで20組以上のバンドやアーティストにカバーをされた。そして『Run Run Run』は1980年代に Echo & The Bunnymen、『Heroin』は1990年代に Billy Idol らにカバーされている。

それらのオリジナルとなる原曲が、このバナナ・ジャケットのアルバムにはたくさん詰まっているわけだが、リリース当時のこのアルバムの印象はドラッグの影響などから来る重苦しい雰囲気がセールスやチャートでも影響し、今でこそ様々な雑誌や媒体において最も重要なアルバムの一枚と数えられるが、1967年の全米チャートでは200位付近にランクされ、数週間でチャートから姿を消してしまったアルバムだった。

個人的にもこのアルバムは、ジャケットにある Andy Warhol の名前から当初は The Velvet Underground のアルバムと全く思わず、ポップアートで有名な Andy Warhol の何かのプロジェクトによるアルバムだと勘違いをしていた。

このアルバムのプロデューサーに名前がある Warhol はレコーディングに必要な資金を出したが、技術面をサポートしたのは Columbia Records の重役 Norman Dolph や、エンジニアの John Licata で、当時 Columbia Records に移ってきたばかりの Tom Wilson が実質的なプロデューサーだった。この辺の事情について John Cale はインタビューで「Andy は何もしなかった」とコメントもしている。

ドイツのケルン出身の Nico はこのアルバムで『Femme Fatale』『All Tomorrow's Parties』『I'll Be Your Mirror』の3曲でリード・ボーカルを、『Sunday Morning』ではバック・ボーカルを務め、これを機会に本格的なソロ・キャリアを開始。同年秋に『Chelsea Girl』というソロ・アルバムをリリースした。

バナナ・ジャケットの『The Velvet Underground & Nico』は近く豪華仕様のリイシュー盤が予定されているが、今、聴いているのはモノラルとステレオが収録された2002年の Deluxe Edition。ここには Nico のアルバム『Chelsea Girl』から Lou Reed や John Cale が関わった5曲も追加収録され、さらにはシングル・リリースされた『All Tomorrow's Parties』と『Sunday Morning』のA/B面にあった4曲も収められた。

ここにあるモノラル音源の11曲を PC オーディオに繋いだ単品スピーカーで聴くと、こんなに迫力がある音だったのか?! と驚きの連続だった。反対にステレオ音源は妙に古めかしく、音としての広がりはあるが、曲の持つ迫力はモノラルに及ばないと感じた。

そんな印象のアルバム『The Velvet Underground & Nico』は、どこかで聴いた覚えのある曲が次から次へと出てくるアルバムで、少し重い暗い雰囲気もまた、今の雰囲気に妙に合い、今さらながら何度も繰り返して聴いてしまうアルバムだ。

The Velvet Underground & Nico The Velvet Underground & Nico (Deluxe Edition) - Nico & The Velvet Underground
【Disc 1 - The Velvet Underground & Nico (Stereo)】
TheVelvetUndergroundDX.jpgSunday Morning
I'm Waiting For The Man
Femme Fatale
Venus In Furs
Run Run Run
All Tomorrow's Parties
Heroin
There She Goes Again
I'll Be Your Mirror
The Black Angel's Death Song
European Son
【Disc 1 - Selections From Chelsea Girl】
Little Sister
Winter Song
It Was A Pleasure Then
Chelsea Girls
Wrap Your Troubles In Dreams
【Disc 2 - The Velvet Underground & Nico (Mono)】
Sunday Morning
I'm Waiting For The Man
Femme Fatale
Venus In Furs
Run Run Run
All Tomorrow's Parties
Heroin
There She Goes Again
I'll Be Your Mirror
The Black Angel's Death Song
European Son
【Disc 2 - The Singles (Mono)】
All Tomorrow's Parties (mono single version)
I'll Be Your Mirror (alternate ending) (mono single version)
Sunday Morning (mono single version)
Femme Fatale (mono single version)


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