Green Day／『1,039/Smoothed Out Slappy Hours』

2012年9月末から2か月おきに3枚のアルバムをリリースする Green Day を初めて知ったのは、1994年のスタジオ・アルバム『Dookie』からの3枚目のシングル『Basket Case』だった。

その後、Green Day のシングルやアルバムに興味を持つことはなかったが、新作3枚の連続リリースを目前にして、デビュー以来の全てのアルバムを収めた『The Studio Albums 1990-2009』がリリースされると聞き、これを機会に Green Day を最初のアルバムから聴いてみようと思った。

その最初の一枚が、今回取り上げる1991年の夏にリリースされた『1,039/Smoothed Out Slappy Hours』というアルバムで、Green Day について一切の予備知識がなかったので、この長いタイトルの持つ意味も知らずに、デビュー盤にして19曲もあるのか! と、驚いてしまった。

いろいろ Green Day のディスコグラフィを調べていくと、この『1,039/Smoothed Out Slappy Hours』はデビュー盤という位置づけではなく、初期にリリースされたアルバムや EP 盤などにある曲を一枚にまとめたコンピレーション・アルバムと呼ぶのが正しいとのこと。

その内訳は、『At The Library』から『The Judge's Daughter』までの10曲が1990年のアルバム『39/Smooth』からの曲。『Paper Lanterns』から『Knowledge』までの4曲は1990年の EP 盤『Slappy』からの曲で、『1,000 Hours』から『The One I Want』の4曲はその1年前、1989年の EP 盤『1,000 Hours』からの曲。そして最後の『I Want To Be Alone』だけが、1991年のコンピレーション・アルバム『The Big One』に提供した曲だった。

この頃の Green Day のメンバーは、リード・ボーカル兼ギターの Billie Joe Armstrong に、ベースは Mike Dirnt、ドラムが John Kiffmeyer という3人で、現在のドラマーである Tre Cool は次のスタジオ・アルバム『Kerplunk』から参加ということも初めて知った。

14曲目の『Knowledge』は今でもライブでプレイされる曲らしいが、この曲だけ Operation Ivy というアメリカのカリフォルニア出身のパンク・バンドのカバー曲で、他は2曲を除いて、当時の3人のメンバーの名前による共作と表記されていた。

曲のスタイルは『Rest』の1曲を除いて全てが3ピース・バンドによる疾走感溢れる曲ばかりで、どの曲でもギターの音が個人的に好きなタイプの音を奏で、そこに Mike と John のリズム隊が曲に厚みをもたらすという、『Rest』以外の18曲は、どれも甲乙がつけ難い、好きな曲ばかりだった。

この後のスタジオ・アルバムや、そこに収められている曲はまだ全然知らないので、これから順を追って聴いていこうと思っているが、ここにある19曲は、とてもデビューしたてのバンド、それも3人だけのバンドによる曲と思えないものばかりだった。

ドラマーも現在の Tre でないが、John の叩くドラムの音もスピード感があり、これも好きなタイプのドラムの音。曲もメロディアスなスタイルが多く、Billie Joe のボーカルも勢いに任せたようなスタイルでなく、これもいい。

ボックス・セットにある最初の一枚を聴いただけで、これ以降のスタジオ・アルバムがますます楽しみで、今月末にリリース予定の新作が届くまで、Green Day 三昧な毎日になりそうだ。

1,039/Smoothed Out Slappy Hours
At The Library
Don't Leave Me
I Was There
Disappearing Boy
Green Day
Going To Pasalacqua
16
Road To Acceptance
Rest
The Judge's Daughter
Paper Lanterns
Why Do You Want Him?
409 In Your Coffeemaker
Knowledge
1,000 Hours
Dry Ice
Only Of You
The One I Want
I Want To Be Alone

タグ：1991 Green Day