Gloria Estefan／『Alma Caribeña』

全米のラテン・アルバム・チャートで1993年の『Mi Tierra』以来、2度目の No.1 を記録した Gloria Estefan の『Alma Caribena』。全編スペイン語で歌われたアルバムは、これで3枚目。Gloria のソロ名義では通算9枚目のアルバムだった。

晩夏 (それとも初秋?) に聴くより、リリースされた当時と同じ初夏や真夏を思わせる頃に聴くのが最も適しているようなアルバムで、スペイン語で歌われている歌詞の内容は英語以上に分かり難いが、中南米のキューバ出身の Gloria が得意とするラテンのノリが十分に伝わるアルバムだ。

1990年には脊髄損傷を伴う重症を負い、一時はアーティスト活動も危ぶまれた Gloria だったが、この『Alma Caribena』ではジャケットに写る姿も含め、そんな大きなアクシデントを経験したことを少しも感じさせなかった。

アメリカでも50万枚のセールスを記録してゴールド・ディスクを獲得した『Alma Caribena』は、メキシコでもゴールド・ディスク (75,000枚)、アルゼンチンではプラティナ・ディスク (60,000枚) に相当するセールスを記録。2000年の世界中での売上げは500万枚を突破し、全米チャートのサルサなどの楽曲を対象とした Tropical Albums チャートでも No.1 を記録した。

『Alma Caribena』にはサルサで最も人気のある女性アーティストのひとり Celia Cruz をフューチャーした『Tres Gotas De Agua Bendita』や、プエルトリコ出身の José Feliciano とデュエットした『Tengo Que Decirte Algo』も収録。

2001年の Grammy 賞で Best Traditional Tropical Latin Album に選ばれ、アルバムとしては2001年の Billboard Latin Music Award でも Best Tropical/Salsa Album に選出。アルバムからの1stシングル『No Me Dejes de Querer』の PV は Latin Grammy Award の Best Music Video にも選ばれた。

シングル・カットされた『No Me Dejes De Querer』『Como Me Duele Perderte』の2曲は、全米 Hot Latin Tracks チャートでも No.1 を記録した。

『Alma Caribena』の最後にはリード・シングル『No Me Dejes De Querer』の別ミックスがあり、このバージョンだけはアルバムの中で少しビートを強調した作りになっているが、その他の曲ではストリングスやホーン・セクションを交え、Gloria のボーカルを活かしたアコースティックな曲が多く揃っていた。

曲によってストリングスやホーン・セクションを使い分け、そこにコンガやマラカスなど中南米を意識したパーカッションの音が加わり、これらのパートを含むビッグ・バンドを従えた Gloria のステージを見ているような雰囲気のアルバムでもあった。

Alma Caribeña (Caribbean Soul)
Por Un Beso
Punto De Referencia
Dame Otra Oportunidad
Como Me Duele Perderte
Te Tengo A Ti
Tres Gotas De Agua Bendita
Nuestra Felicidad
La Flor y Tu Amor
Me Voy
Solo Por Tu Amor
Tengo Que Decirte Algo
No Me Dejes De Querer
No Me Dejes De Querer ("Flores" Del Caribe Mix)

タグ：2000 Gloria Estefan