Primal Scream／『Beautiful Future』

今年最初に Primal Scream のアルバム『Riot City Blues』を取り上げた時に、この現時点での最新アルバム『Beautiful Future』をブログで紹介していなかったことに気がついた。

『Beautiful Future』がリリースされたのは2008年の夏。もう、5年が過ぎようとしているが、Primal Scream も今年、新作『More Light』を5月にリリースする。

全英チャートで『Beautiful Future』は最高9位を記録したが、それまでのメジャー系を離れ、インディ・レーベルの B-Unique Records からリリースされた『Beautiful Future』のセールスはあまり奮わなかった。

『Beautiful Future』からのリード・シングル『Can't Go Back』は個人的に好きな曲だが、これも全英チャートでは最高48位止まり。アルバムからのシングルは、この1曲だけだった。

アルバム毎に変化を見せてきた Primal Scream だが、この『Beautiful Future』ではひとつのスタイルにまとまっている感じがなく、冒頭の2曲、『Beautiful Future』『Can't Go Back』と、それ以降に続く曲はまるで別のアルバムの曲を聴いているようにも思えた。

アルバムのクレジットを見ると、冒頭2曲は Paul Epworth のプロデュースでロンドンでレコーディングされ、別のアルバムの曲のように感じた3曲目以降のほとんどはスウェーデン出身 Björn Yttling のプロデュースの下、スウェーデンにあるスタジオでレコーディングされた曲となっていた。

スウェーデン録音の曲の中、Queens Of The Stone Age に在籍していた Josh Homme がギターを弾く『Necro Hex Blues』だけは、その他のスウェーデン録音の曲と異質な感じのする曲で、ロンドン録音の曲と似たスタイルだった。

『Beautiful Future』での客演は、8曲目の『I Love To Hurt (You Love To Be Hurt)』でブラジル、サンパウロ出身の Cansei De Ser Sexy のボーカル Lovefoxxx が作詞とゲスト・ボーカルで参加。

続く『Over & Over』は1979年の Fleetwood Mac のアルバム『Tusk』にある Christine McVie が書いた曲で、ここではイギリスのフォーク・シンガー Linda Thompson がゲスト・ボーカルで参加していた。

『Beautiful Future』はデジパック仕様と通常の CD ケース入りの2種類があり、デジパック仕様ではさらに2曲を追加。『Urban Guerrilla』は1973年の Hawkwind が全英チャートで最高39位をマークした曲。もう1曲の『Time Of The Assasins』はインストルメンタル曲。

Primal Scream のアルバムにしては、ごった煮な雰囲気の『Beautiful Future』はリリース当時のメディア評価もバラバラ。NME では10点満点中で8点、Pitchfork では10点満点中7点と評価されたが、Allmusic は平均の出来、そして平均以下と評価したメディアも多かった。

Beautiful Future
Beautiful Future
Can't Go Back
Uptown
The Glory Of Love
Suicide Bomb
Zombie Man
Beautiful Summer
I Love To Hurt (You Love To Be Hurt)
Over & Over
Necro Hex Blues
The Glory Of Love (Single Version)
Urban Guerrilla
Time Of The Assasins

タグ：Primal Scream 2008