KISS／『ALIVE!』：洋楽 ga 好き！

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KISS／『ALIVE!』 [CD] [編集]

KISS のアルバム (CD) はあまり手元になく、アルバムの枚数が多いことや、完全に後追いだったこともあって、このライブ盤の『ALIVE!』やベスト盤、そして企画モノのボックス・セットくらいしか持っていない。

この『ALIVE!』は2000年代に紙ジャケット仕様でスタジオ・アルバムやライブ盤、ベスト盤がまとめてリイシューされた際、とりあえずライブ・バンドとしての KISS を聴きたくて選んだ一枚だった。

『ALIVE!』にある16曲は、それまでにリリースしてきた3枚のスタジオ・アルバムから構成されている。この当時、ライブ・バンドとしての評価はそこそこだった KISS だが、それがスタジオ・アルバムのセールスに結びつかずにいた。

それは KISS のファンも同様に思っていたようで、ライブでの KISS の良さが、それまでのスタジオ・アルバムからは伝わってこないと感じていたようだ。

それならば、いっそのことライブ盤をリリースしてしまおうとして作られたのが、この全16曲入りの『ALIVE!』で、プロデューサーには Led Zeppelin の『Houses Of The Holy』や『Physical Graffiti』でエンジニアとミキシングを担当した Eddie Kramer が迎えられた。

この当時の KISS は、ギターに Paul Stanley と Ace Frehley、ベースに Gene Simmons、そしてドラムに Peter Criss というオリジナルのラインアップ。そして、もちろん、あの派手なメイクアップと衣装を纏った KISS で、紙ジャケット仕様で小さくなったジャケットでも、この頃の KISS の面白さが十分伝わってきた。

ドラム・ソロやファンとの掛け合いがある12分を超す『100,000 Years』を除けば3分台の曲が多く、ハード・ロックに括られがちな KISS だが、親しみやすいメロディを持っていたのも KISS の特徴だと、よく分かるライブ盤だった。

『100,000 Years』より前には、それまでのアルバムからの代表曲が小気味良くプレイされ、そして、これ以降はライブのハイライトに向け徐々に盛り上げていく様子が収められ、『Rock And Roll All Nite』と『Let Me Go, Rock 'N Roll』の2曲でそれはピークへと達する。

『ALIVE!』からは唯一『Rock And Roll All Nite』がシングル・カットされ、全米チャートで最高12位をマーク。アルバム『ALIVE!』も全米チャートで最高9位を記録し、それまでの3枚のアルバムを大きく上回る結果を挙げた。

今では、もっとライブの様子が生々しく伝わるライブ盤もあり、1970年代中盤という時代をも感じるライブ盤の『ALIVE!』だが、この2枚組にある16曲は KISS というバンドを伝えるに十分なクォリティがあり、初期の KISS の魅力が詰まった最高の一枚だろう。

ALIVE!

【ONE:】
Deuce
Strutter
Got To Choose
Hotter Than Hell
Firehouse
【TWO:】
Nothin' To Lose
C'mon And Love Me
Parasite
She
【THREE:】
Watchin' You
100,000 Years
Black Diamond
【FOUR:】
Rock Bottom
Cold Gin
Rock And Roll All Nite
Let Me Go, Rock 'N Roll