Roxette／『Roxette's Greatest Hits』

「don't bore us - get to the chorus!」と、タイトルに添えられた Roxette 初のベスト盤『Roxette's Greatest Hits』。このアルバムがリリースされた1995年の初めには『Rarities』というオリジナルのスタジオ・アルバムに未収録な曲を集めたコンピレーション・アルバムもリリースされた。

同じ年の暮れにリリースされた『Roxette's Greatest Hits』は年末商戦も相まって、全英チャートで最高5位を記録してプラティナ・ディスクに。母国スウェーデンのアルバム・チャートでは最高2位をマークし、やはり、母国でもプラティナ・ディスクに認定された。

欧州圏ではイタリアやドイツなどでも Top10 入りを果たし、南半球のオーストラリアやニュージーランドのチャートでも Top10 ヒットを記録したベスト盤だが、なぜか、アメリカでは2000年までリリースされず、そのアメリカ盤は2曲少ない16曲入りだった。

この1995年に全世界で広くリリースされたベスト盤は、最初と最後に2曲ずつの合計4曲が当時の新曲で、その間にそれまでのヒット曲が網羅されていた。

アメリカでは当初リリースされなかったこのベスト盤だが、全米チャートで No.1 になった『The Look』『Listen To Your Heart』『It Must Have Been Love』『Joyride』は全て収録。また同チャートで最高2位の『Dangerous』『Fading Like A Flower (Every Time You Leave)』や、Top40 入りしたシングルも多くあり、この内容でなぜアメリカで、しかも、年末商戦という時期にリリースされなかったのか、不思議だった。

メジャーヒットになったアルバム『Look Sharp!』から、この頃の最新アルバム『Crash! Boom! Bang!』までの3枚からのヒット曲に加え、2本の映画に提供した2曲が初めて Roxette の公式アルバムにも収録されていた。

そのひとつが映画『The Pretty Woman』のサウンドトラック盤に提供した『It Must Have Been Love』。そして、もうひとつが映画『The Super Mario Bros.』のサウンドトラック盤収録の『Almost Unreal』で、この曲は日本盤『Crash! Boom! Bang!』にはボーナス追加されていた。しかし、日本以外の地域で公式なアルバムに収められたのは、これが初だった。

また、このベスト盤にはシングル向けに編集されたバージョンも多くあり、オリジナル・アルバムにあるバージョンと違うかたちで聴けるのも特徴だった。

4曲の新曲のうち、『You Don't Understand Me』『June Afternoon』『She Doesn't Live Here Anymore』はシングル・カットされ、さらにイギリスでは『The Look '95』という新たなバージョンもシングルになった。(だが、この『The Look '95』はベスト盤に未収録)

Roxette はこれ以降も活動を続けているが、このベスト盤リリースの頃を境に、その人気は徐々に下降していってしまった。Roxette のベスト盤も数多くリリースされているが、一番ベストな頃を反映している一枚を挙げるとしたら、この『Roxette's Greatest Hits』が最もお薦めなベスト盤と言えるだろう。

Roxette's Greatest Hits
June Afternoon
You Don't Understand Me
The Look
Dressed For Success (US single mix)
Listen To Your Heart (Swedish single edit)
Dangerous (Single version)
It Must Have Been Love (From The Pretty Woman - soundtrack)
Joyride (Single edit)
Fading Like A Flower (Every Time You Leave)
The Big L.
Spending My Time
How Do You Do!
Almost Unreal (From The Super Mario Bros. - soundtrack)
Sleeping In My Car (Single edit)
Crash! Boom! Bang! (Single edit)
Vulnerable (Single edit)
She Doesn't Live Here Anymore
I Don't Want To Get Hurt

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